auとGREEの協力関係で生まれた「EZ GREE」は、ケータイならではの機能を多数備えたSNSだ。前回は、パソコン版のGREEとケータイ版のGREEの違いを中心に解説した。今回は、GREEがauと組むことで生まれた、便利な機能や、EZ GREEのヒットコンテンツを紹介していく。

さまざまなコンテンツが有機的に絡み合う

幅広いサービスを矢継ぎ早に投入しているEZ GREEだが、その中からヒットコンテンツも生まれ、ユーザーに親しまれている。KDDIコンテンツ・メディア本部 ポータルビジネス部の芝純一郎氏によると、「『釣り★スタ』が特に継続率が高く、プレイしているユーザーも多いですね」という。8月31日の21時時点でも6,000人以上がこのゲームを遊んでいるほどの人気ぶりだ。

「釣り★スタ」とは、FLASHで作られた釣りをモチーフにしたゲームのこと。これだけの説明だと単純なゲームに聞こえるが、「釣りのための道具を買ったり、実際に釣ったり、チームを組んでプレイしたりと、遊びの幅が広い」(芝氏)ため、多くのユーザーがはまっている。

自分のレベルに応じて遊べる釣り場が決まっているため、単純なFLASHゲーム以上に、攻略したいというモチベーションが持てるのも「釣り★スタ」の特徴。釣りを効果的に行うには、釣具をパワーアップさせる必要があるが、この釣具は、EZ GREE内で流通している仮想通貨「ゴールド」で購入する。ロールプレイングゲームのように、自分を強化し、より釣りをしやすい環境を整えることができるのだ。

とりあえずEZ GREEに登録して右も左も分からないという人は、まずこのコンテンツにチャレンジしてみるのがよいだろう。

だが、前回も述べたように、ゲームや辞書はドコモ、ソフトバンクのユーザーも利用できる。auならではのメリットはどこにあるのだろう?

ボタンをタイミングよく押して魚を釣る「釣り★スタ」というゲームは、多くのユーザーが楽しんでいる ロールプレイングゲームで武器を買うように、「釣り★スタ」では釣具を購入する。釣具の購入には、ゴールドというGREE内の仮想通貨を使用する

EZニュースフラッシュでさりげなく更新が分かる

EZ GREEはauのケータイで利用できるサービスだが、ドコモ、ソフトバンクのケータイでも、それぞれGREEを利用できる。両社のポータルにも公式サイト登録されており、アクセスも簡単だ。では、EZ GREEとその他のケータイ版GREEの違いはどこにあるのか? KDDIコンテンツ・メディア本部 ポータルビジネス部の江幡智広氏は「違いはほとんどありません」と話す。「コミュニティは規模が重要なので、auでなければ使えないという制限はかけていません」(江幡氏)というように、ドコモ、ソフトバンクでも、auとGREEが企画したさまざまなコンテンツを楽しめる。

ただし、もちろんauの機種で使うメリットも存在する。それが「他の機能との連携」だ。例えば、EZ GREEでは、auの個人用のポータルサービスである「au My Page」と連動することにより、待受画面に表示される「EZニュースフラッシュ」に最新の情報がテロップで流れるように設定することができる。「このようにすれば、更新情報をさりげなく知らせることができます。メールで知らせてしまうと嫌がるユーザーもいますからね」(江幡氏)というように、さりげなくSNSの更新情報が分かる嬉しい機能だ。

EZニュースフラッシュは、昨年の秋冬モデルから実装されたauの独自機能である。ドコモの「iチャネル」や、ソフトバンクの「ライブモニター」も同じ待受画面へのニュース配信サービスだが、SNSの更新情報が分かるのはEZ GREEがauのサービスだからだ。

au My Pageを持っていると、新着情報がEZニュースフラッシュで表示される。さりげなく新着情報が分かるので便利だ

GPSを使ったナビゲーションサービスである「EZナビウォーク」と、地域情報を書き込めるコミュニティの「グリ街(まち)」が連携するのも、ナビに強いauならではの特徴だ。「ナビゲーションサービスはauのユーザーに普及していますので、これも強みになります」(江幡氏)というように、auの強い部分は積極的に生かしていることが分かる。

スポットごとに掲示板を設置できるサービスの「グリ街」。その街の口コミ情報を調べるのに便利だ

実際に使ってみたところ、残念ながらEZナビウォークと連動している掲示板はまだほとんどなかったが、コンテンツ(書き込み)が充実してくれば、新たな口コミ媒体としての価値が高まるだろう。

「GREEはコミュニティなので、差別化はauならではの部分でしていきたい」(江幡氏)というが、今後も、続々とauならではのサービスと連携させていくそうだ。例えば、auは、auオークションやauショッピングモールといった独自のサービスを運営している。GREEのレビュー機能がこういったサイトと連動することも十分に考えられる。

「EZwebのトップページに来なくても、GREEに来る人はいます。GREEというコミュニティが、KDDIの持っている資産を見せていくきっかけになればいいですね」(江幡氏)