スマートフォンユーザーの最大の悩みは、バッテリーの持ちの悪さでしょう。動画再生やGPSなど、動作させているアプリによっては、とんでもない速度でバッテリーが減っていきます。一般的なスマートフォンのバッテリー容量は、1500mAh程度(筆者が使用しているS31HTのバッテリー容量は1200mAなのですが)。USBなどの充電環境が使える環境に居る場合には問題ないのですが、外出時などはそうも行かず、どうしても容量を気にしながら使うことになります。
それを解決するのが、携帯充電器です。現在よく見られる充電器には、一次電池を使用したものと、単3形のNi-MHバッテリーを使用したもの、リチウムイオンバッテリーを使用したものがあります。バッテリー容量が低下したスマートフォンが、しばらくの間使えればよいという用途ならば、どれを選んでも問題はありません。しかし、完全に空になったスマートフォンのバッテリーをフル充電したい、というケースでは、容量的にリチウムイオンバッテリーを採用したモデルということになるでしょう(Ni-MHバッテリーを採用したモデルも便利なのですが、出力時間も60~90分程度となるなど、スマートフォンをフル充電するには容量が足りない)。ただし、リチウムイオンタイプならばどれでもOKかというと、そういうわけでもなく、やはりある程度以上の容量を持った製品でないと難しいようです。1500mAh程度のバッテリーを内蔵したスマートフォンの場合、充電器側には2000mAh程度の容量が必要だと言われています。
さて、今回試用したCP-A2LSは、ソニーから発表されたばかりの4000mAhの容量を持つリチウムイオンバッテリー内蔵の携帯充電器です。写真のように、充電する際にコンセントに接続するAC入力部と、携帯機器などへの充電を行うUSB出力部とが分かれるセパレートタイプで、USB出力部にあるAC入力部との接続コネクタは、ほこりなどの侵入を防ぐために、AC入力部を外すと自動的に蓋が閉まるようになっています。また、AC入力部のコンセントは、折り畳み式を採用。USB出力部は、USBポートを2基装備しており、同時に2台の機器に充電を行うことも可能です。
さて、CP-A2LSでは、リチウムイオンバッテリーの容量は4000mAh。これでスマートフォンならば約2回分フル充電を行うことが可能とのことです。しかし、充電中も電話やメールの着信などを考慮して、不要なアプリをオフにしてスタンバイ状態で充電するというケースもあるでしょう。そのような場合、充電しつつ電力の消費も行われているため、電源をオフにした状態で充電するよりも、時間がかかるうえ消費する電力も大きくなります。
では、CP-A2LSでスタンバイ状態のスマートフォンを充電した場合、どの程度充電できるのでしょうか。実際に試してみます。まず、スマートフォンのバッテリー量低下の警告が出てからも、完全にシャットダウンするまで使いきります。続いて、スマートフォンに付属しているケーブルを使用してスマートフォンとCP-A2LSのUSB出力部を接続します。CP-A2LSのUSB出力部にあるUSB OUT ON/OFFのスイッチを押すと、緑色のインジケーターランプが点灯し、機器への充電がスタートします。ここでスマートフォンの電源を入れて、スタンバイ状態にします。この状態で充電を続けたところ、5時間弱でスマートフォンのバッテリーがフル充電状態になりました。さらに、もう一度スマートフォンのバッテリーを使いきり、再充電した結果、1/4程度まで充電が行われた段階で、CP-A2LSのバッテリーを使いきりました。
このように、1200mAhのバッテリー容量を持つS31HTの場合、完全にバッテリーを使いきってからスタンバイ状態で充電を行っても、1回のフル充電+1/4程度の充電が可能でした。1回のフル充電にかかった時間は5時間弱です。このことから、1500mAhのバッテリーを内蔵したスマートフォンでも、ほぼ1回の充電が可能と思われます。ただし、これに関してはスマートフォン側で動作している機能、つまりスマートフォンが消費している電力によって変わってくるので、あくまでも目安です。もちろん、バッテリーを使いきってもシャットダウンした状態なら約2回分の充電が可能でしょうし、たいていは、スマートフォンのバッテリーが完全に空になるまで使うというケースは少なく、バッテリーの容量が少なくなった段階で(あるいは警告が出た段階で)、充電を開始するでしょう。当然、その方が充電にかかる時間や電力も少なくなります。
なお、CP-A2LSでは、1つのポートからは500mAhしか給電することはできませんが、2基あるUSBポートの両方から、同時に500mAhずつの電力を供給することは可能です。2つのポートから給電できるケーブルを利用すれば、より効率的な充電を行うことも可能でしょう。スマートフォンユーザーには、なかなか便利な製品だと言えるのではないでしょうか。