冷却ファンと金属の放熱板を搭載し、ワイヤレス充電時に発生する熱を効率的に放熱できる異色のモバイルバッテリーが登場。自宅で動画を見ながらワイヤレス充電する場合でも、熱によるスマホのバッテリーの劣化を最小限に抑えられ、バッテリー寿命を延ばせることが期待できます。透明パーツを用いた外観は見た目もクールで、暑い夏に向く製品だと感じます。

  • 冷却ファンを搭載したワイヤレス充電対応モバイルバッテリー「ICEMAG 2」

    冷却ファンを搭載したワイヤレス充電対応モバイルバッテリー「ICEMAG 2」。発熱が増えるワイヤレス充電の際も、スマホのバッテリーへの負担を抑えられる

ワイヤレス充電はケーブル充電よりも熱を持つ

ケーブル接続の必要なく、スマホの充電や取り外しが簡単なワイヤレス充電が支持を広げています。モバイルバッテリーも、MagSafe対応iPhoneなどスマホの背面に磁力でくっつけるだけで充電できるタイプが増えており、内蔵スタンドを使って動画を見ながら充電できる製品が人気を集めています。

しかし、ワイヤレス充電は熱を持ちやすいのが欠点です。エネルギーのすべてがスマホの充電部に使われず、一部が熱に変化するからです。スマホが熱を帯びると内部のバッテリーの劣化を早め、ひどくなるとバッテリーの膨張や発火の危険性も高まります。スマホが熱を持つと、処理性能が落ちたり画面が暗くなったりして、スマホ自体の使い勝手も悪くなります。

そのようなワイヤレス充電の熱問題を軽減すべく、発生した熱を積極的に放出する装備を備えた異色のモバイルバッテリー「ICEMAG 2」が登場しました。発売したのは、透明デザインのモバイルバッテリーや充電器で知られる中国SHARGEです。

  • これまでのSHARGE製品と同様に、一部の外装に透明パーツを用い、デザイン的な魅力を高めている

  • 背面にQi2のワイヤレス充電に対応した充電部を搭載する

ICEMAG 2は、Qi2規格のワイヤレス充電に対応した10,000mAhのモバイルバッテリーで、ワイヤレスでも15Wの高速充電が可能。USB Type-C経由のケーブル接続ならば、最大30Wの急速充電に対応します。本体は10,000mAhのモバイルバッテリーとしては大きく、iPhone 16 Pro Maxにくっつけた際にジャストサイズとなり、iPhone 16 Proや無印iPhone 16では少しはみ出してしまいます。

冷却ファンとアルミ放熱板でアクティブに排熱

ICEMAG 2で特徴的なのが、内部に冷却ファンを搭載していること。ファンの右側から本体内に吸気し、熱を持つ電源回路の熱を奪って左側から排気する、という仕組みになっています。さらに、背面には凹凸が設けられたアルミパネルが張られており、ヒートシンクの役割をして放熱をさらに促進する仕組みも備えています。

  • 内部に小型の冷却ファンを搭載し、充電時や放電時に回転して内部に空気を送り込む

  • 背面にはアルミの放熱板を設けており、ここからも効率的に放熱する

MagSafe対応のiPhoneを磁力でくっつけると、ワイヤレス充電が始まるとともにファンが回転し、スマホの温度上昇を抑えながら充電できます。背面のスタンドを立てれば、動画を見るのに最適な角度にしながらワイヤレス充電できます。ちなみに、ファンの回転時、側面の吸気口や排気口から風切り音や回転音がかすかに聞こえますが、耳障りなほどではありません。

  • 収納式のスタンドを立てれば、スマホに角度をつけた状態で固定しながら充電できる

  • スマホを横にすると放熱板がスマホで遮られず露出し、より効率的に放熱できる

  • ワイヤレス充電中の様子をサーモカメラで見たところ、放熱板の部分の温度が高く、熱を集めてどんどん放熱していることがうかがえる

冷却機構はワイヤレス充電時だけでなく、モバイルバッテリー自体の充電時にもメリットがあります。モバイルバッテリーの充電時もファンが回転して放熱が行われるので、モバイルバッテリー自体のバッテリー劣化も抑えられます。

  • モバイルバッテリーの充電時にもファンは回転する。回転時は光るのがイマドキ

  • 充電時も熱が発生するので、効率的に放熱できる仕組みはモバイルバッテリーにとっても好ましい

Amazonでの価格は9,599円(7月30日時点はタイムセールで7,999円)と、10,000mAhのワイヤレス充電モバイルバッテリーとしてはかなり高価なのが気になるところ。とはいえ、高価なiPhoneのバッテリー劣化を抑えられることが期待できるので、その点やガジェット的なデザインを評価するなら購入する価値はアリかなと感じます。