私は家から出なければ大体の困難は避けられると思っているタイプだが、そんな生活は一部の選ばれし特権階級、もしくは社会から選ばれなかった罰として自宅に服役している奴にしか不可能というのもわかっている。
しかし家にいると外敵に襲われる確率が激減するのはもちろん「衣服着用義務」など様々な外出の弊害から逃れられるのも事実だ。
その内の一つが「トイレの心配がない」という点である。
その慢心が数々の誤爆事故を巻き起こしてきたとも言えるが、自宅内であれば事故隠蔽も簡単なのだ。
頻尿の民は外出時、まずトイレの位置を確認する「地形把握」からはじめなければいけないし、わかっていてもすぐには行けない状況に追い込まれることもある。
特に乗り物など、すぐには脱出できない密室な上、トイレがあったとしても利用者に対して数が少ない場所ではつねに緊張状態だ。
新幹線や飛行機などで、頑なに通路側に座ろうとする人間は高確率で「仲間」だと思っている。我々にとっては富士山が見えるか否かよりトイレに行きやすいかどうかの方が重要なのだ。
うっかり窓際に座ってしまうと、トイレに行きたくなった時、謎の手刀で空を切る謝罪をしながら廊下側の人の前を通ることになってしまうし、1回ならまだしも2回目となれば我慢をしてしまい事故率が高まってしまう。
私は滅多に外に出ないが、出るとしたら買い物か仕事の打ち合わせである。よって外出が近所のイオソか東京の二択という極端になっているのだが、東京の場合は飛行機に乗らざるを得ないので毎回緊張している。
しかも最近では機内での爆発の心配をしなければならないのは膀胱だけではない。
出先で爆発するとまずいものランキング、ダントツの1位になる存在が急浮上
ところで外に出ない利点の一つとして「充電の心配がない」というのもある。家にコンセントが3つ以下でないかぎり、いつでも充電ができるのだ。 「モバイルバッテリー」というのは、外出しなければいけない人間に科せられた重りでしかないのである。
しかし、重さやいつの間にかiPad用ケーブルと複雑に絡み合っていることなど些末な問題であり、近年モバイルバッテリーの「爆発」が問題になっている。
これはモバイルバッテリーなどに使用されている「リチウムイオン電池」が原因であり、これが経年と共に爆発する事故が近年多発している。
メッセージを伝えたあと爆発するレコーダーは空中に出現するタッチパネルと並ぶ夢のガジェットだと思っていたが、いざ本当に「役目を終えたあと爆発する機器」が出現すると「すごく危ない」ということが判明した。
実際2024年6月までにモバイルバッテリーの爆発事故は100件以上起きており、その内の85%が火災に発展しているという。
2025年夏、山手線内でもリコールがかかっていたモバイルバッテリーのよる火災が起きたそうだが、車レベルのリコールならともかく、どちらかというと消耗品に近いモバイルバッテリーのリコールまで把握できるかというと、難しいところがある。
自分で買って放置したモバイルバッテリーが自宅で爆発するならまだマシだが、場所によっては他人を巻き込んだ大事故につながりかねない。
もし飛行機内でそれが起こったら、もはや無意識爆破テロと言っても過言ではない。
よって国土交通省は、国内線でのモバイルバッテリー機内持ち込み数を制限し、機内での使用は事実上禁止にする見通しだという。
爆発の恐れがあるものを機内に持ち込ませないのはもちろんだが、その前に早くモバイルバッテリーを爆発の恐れがないものにしてほしい。
そんなわけで現在「爆発しない電池」として注目を集めているのが「ナトリウムイオン電池」である。
「爆発しない電池」は「死なない食べ物」ぐらい当たり前な気がするが、爆発する電池を生み出してしまったのだから仕方がない。
すでにモバイルバッテリーとして商品化もされているようだが、リチウムイオン電池に比べ、大きさも重さも3倍、そして価格も高いという三重苦のようで、よほど爆発を恐れる安全意識の高い人でなければ、爆発しない方に賭けて安くて軽い方を選んでしまいそうな気もする。
リチウムイオン電池のモバイルバッテリーが確実に爆発するわけではなく、爆発は適切な処理をしなかった結果が多いのだろうが、だらしなさの代償が「爆発」というのは罪に対して罰がでかすぎるし、罪なき人が巻き込まれる可能性がある以上、これは個人の注意ではなく、国やメーカーがなんとかすべき問題だろう。
私はどう考えてもだらしなさからモバイルバッテリーを爆発させる罪人側なのだが、これに関してだけは無罪を勝ち取る自信がある。
何故なら私は外出しないので、モバイルバッテリーを持っていない、私がモバイルバッテリーを買うというのは、スキンヘッドがリファを買うぐらいの持ち腐れだ。
持ってないから機内にも持ち込まないので爆発のしようもない、ひとまず己の罰に他人を巻き込む心配がなくて一安心である。
だが、こっちが他人の罰に巻き込まれる恐れはある。
やはり外には危険がいっぱいだ、命が惜しいなら 出るべきではない。
