朝、顔を洗って鏡を見た瞬間「何故お母さんがここに?」と思うのは中年女性あるあるだと思うが、そこにおばあちゃんの面影を見てない奴はまだまだギャルである。
私も調子がいい日はお母さん、悪い日はおばあちゃん(96歳)という感じだが、残念ながら似ているのはビジュだけで、内面は完全にお父さん似であり、年を取るごとに悪化している。
どう似ているかというと、社会性のなさがそっくりなのだ。もうこの時点で終わっているので、重度の猫背とか細かく似ている点などは説明したくない。
性格だけでなく、一旦社会に出てみたものの、やっていけずにフリーランスという名の何をやってるかわからない人となり、家から全く出ないところや、社会性のある会社員のパートナーを苗床にして生きている点など、生き様まで完コピで恐ろしくなってくる。
完全に「俺は親父みたいにならない」と思いながら己の妻子をボコボコにしている人と同じ挙動であり、遺伝や家庭環境の呪縛はそう簡単に解けるものではないと身をもって感じている。
しかし、根本は似ているがディティールが異なる部分もある。
父は歌が趣味であり、自分の歌を聞かせるため、自分の誕生会を主役俺主催俺で開くリアルジャイアンリサイタルの人だ。
私は、この様を見て「こういうところだけは似なかった」と思っていたが、よく考えれば私は自分の描いた絵や漫画を見て欲しく、自ら晒し続けている人間である。
ただ運よくネットという父とは違う晒し場を見つけたというだけであり、それがなかったら今も家族相手に個展を開いていたかもしれない。
また、整理整頓が全くできず同居家族に迷惑をかけるという点もそっくりだが、片付けられない物の内容物はかなり異なる。
「記録癖」そして「収集癖」だけは、唯一全く似なかったのだ。
私の部屋は、私から見てもゴミしかないのだが、父の部屋は主に「新聞」「ビデオテープ」「カセットテープ」で構成されていた。
正直ゴミ屋敷クリエイターとしては、私の方が性質は悪い。
ひきこもり特有の「コンビニだけ行ける現象」や、ネットを手にしたことによる「通販」を駆使し、外部から飲食物や物品を持ち込み、それで生じたゴミを片付けないので見るからに汚い。
それに対し、父はストイックであり、自ら買い物には一切行かないし、通販もしない、ただ毎日配達される新聞紙と時々妻に命じて買わせた、ビデオテープとカセットテープを無骨に積み上げるのみであった。
今思えば、あれだけ物を買わずに家を自分のもので占拠できたのはすごいと思う、冷蔵庫にある食材だけでフルコースを作るシェフのようだ。
ビデオテープやカセットテープで何を記録していたかというと、おそらくテレビ番組やラジオ番組だったと思われる。
ただ、その記録したものが本当に必要だったかは謎である、汚部屋クリエイターと同居家族の対立原因は、家族から見ればゴミだが、本人からすれば必要なもの、という認識の差であることが多い。
対して私は記録癖が全くなく、写真すら、フリーのおキャット様に遭遇した時以外滅多に撮らないし、撮ったとしてもそれを改めて保存したりしないので、スマホを買い替えるたびにリセットしていたりする。
Blu-rayレコーダーが生産終了、録画しておきたい人には厳しい時代に
よってこの度ソニーが「Blu-rayレコーダーを全機種終了」を発表したと言われても、どんな顔をしていいかわからないし、かといって笑ったら殴られるのもわかっているので微妙な顔をするしかない。
理由は「配信サービスの充実により録画の需要が激減した」という、至極当然のものである。
私も去年「Tver」の存在を知ったため、テレビは元々あまり見ないが「あとでTverを見ればいいや」という感覚が生まれ、リアルタイムはもちろん録画してまでテレビを見ようとは全く思わなくなった。 しかし、Tverの見逃し配信が見られる期間はわずかだ。私の父のように「自分が出演したローカル番組を一生繰り返し見たい」というタイプにとってレコーダーがなくなるのは激震だ。
他の配信サイトで見られるかもしれないが、それもいつ停止するかわからないし、DVDやBlu-rayディスクも、必ずしも自分が保存したい番組が円盤化するとは限らない。少なくとも我が村のローカル情報番組だった「熱血テレビ」は円盤化していない。
テレビに内蔵されているHDDに保存するという手もあるが、これもテレビを買い替えた時に無になってしまうという問題があるようだ。
これはいよいよ私のように、どうせ保存したとて大して見返さないのだから過去の記録に頓着するなという時代が来ているのかもしれない。
しかし、今は頓着していなくても、晩年後悔しないとも言い切れないので「とりあえず録画しておく」ができないのは問題なのかもしれない。
そう言えば現在の父の記録癖はどうなっているのか、ビデオテープからDVDやBlu-rayに進化したのか、そうだとしたら今回のBlu-rayレコーダーの終了でどうなるのか、今度実家に行った時確認してみようと思う。
