そろそろ確定申告の時期である。
私ほどのレベルになると2月に入った瞬間に税理士から資料の催促がやってくる、3月になってから言い出すような甘さんでは私の担当は務まらないのだ。
この時期になると「AIは他人の写真を水着加工している暇があるなら確定申告をできるようにしろ」という怒りの声が聞こえるが、確定申告業務もAIの導入がかなり進んでいるようだ。
ただ、情弱は文句を言うのに忙しくてその情報にたどり着けないし、そういうタイプの言う「確定申告をできるAI」は「確定申告をしてください」の一指示で損益計算書を作り上げ、税務署に申告までするAIのことなので、実質AIはまだ全然確定申告をできるようになってはいないのだ。
そのレベルでAIが確定申告をできるようになる日はまだ遠いだろう。
だが我々にはAIのおかげで確定申告が不要になる別ルートがご用意されており、それが実現するのはそう遠くない気がしてきた。
それはAIのおかげで収入が消滅し、確定申告不要になる未来である。
確定申告シーズンになると、ズボラや社会性のなさに自信がある人間がギリギリから若干はみ出た状態で確定申告を終わらせる様を散見すると思うが、あいつらも申告しなければいけない収入がある時点で上澄みなので油断してはいけない。
注目すべきはシーズン中、はじめたとも終わったとも言わない「凪」の強者だ。
ちょうど昨日、AIに仕事を奪われ収入が激減したという「ライター」の記事を見かけた。
完全に同業者である、AIに仕事を奪われる未来はすぐそこどころか、すでに30センチぐらいめり込んだ状態だったのだ。
だがそれと同日に、画像などにモザイク処理をする仕事をはじめた人が5日ほど局部を見続けた結果「AI、私の仕事を奪って、早く」と、籠鳥状態の令嬢みたいな心理状態になっているのも見かけた。
危険な仕事は機械化した方がいいように、AIも人間の負担が重い仕事から奪うべきだと思うが、実際は奪わないでほしいものが奪われ、何故これを奪わないのかという仕事が未だ人力のようである。
少し前だが「違反動画を発見し削除するアルバイト」の求人を見かけたこともある。
「違反動画」の詳細は不明だが募集要項の「精神の安定に自信がある方」の時点で察しであり、局部はまだマシな方で、汚物や、かつて人体だったものなどを目視確認する仕事は相当過酷だろう。
そういう趣味人なら大丈夫と思うかもしれないが、漫画が趣味で漫画家になった奴でさえ何故か苦しんでいるのだ、特殊性癖を仕事にするのはもっと厳しいだろう。
「相手の罵声をマイルドにするAI」は人間を助けるか
しかし、AIで人間の心理的負担を減らす試みは進んでおり、ソフトバンクがコールセンター向けに「相手の罵声をマイルドにするAI」を開発したという。
このAIを起動させると、即時に相手の発言内容は変えずに声色だけを変換してくれる。
ウイスバーボイスの罵詈雑言の方が余計怖いような気もするが、「お前は生きているだけで偉い」と一日中怒鳴られ続けても鬱になりそうな気がする。
もしかしたら内容よりも「声色」の方が人間の精神に影響を与えるのかもしれない。
それに内容までマイルドに変換しようと思ったら、京都人以外が考えた京都人みたいになってしまい、別の翻訳AIが必要になってくる。
それ以前にコルセンの負担を減らすべく、AIチャットを導入し「電話をかける前にこれで解決を図ってくれ」と促しているとは思うが、声を変換されがちな人ほど直電をしてくるのが現実なのだろう。
ちなみに変換後の音声は150種類とかなり豊富のようだ、確かに不快感を覚えない声も人それぞれなのでそれぐらい選択肢があった方がいいだろう。
どうせなら有名声優とコラボでもと思ったが「昨日買った炊飯器に文句が止まらない悟空」など余計ストレスがたまりそうなので、音声はあまり特徴的でない方がいいのかもしれない。
コルセンの仕事そのものをAIができるようになればいいとも思うが、これもまだ人力が必要な分野のようだ。
私の友人に「接客業以外向いてない」などと、対人戦車みたいなことを言ってまさにコルセンをやっている人がいるが、そんな人間でも「この前のテレビで見たあれが欲しい」などの要望にお応えするのは難しいようだ。
また先日「黒髪で長髪の男が出ているBL作品を何でもいいから送ってくれ」という、相手の状況がさっぱりわからないお問い合わせがあったそうだ。
取扱商品の中から、黒髪の男が出てくる作品をピックアップする作業はAIの方が早いだろう。
しかし数ある作品の中から「黒髪長髪ならなんでもいい」一点張りのお客様にあった作品を選んで送る繊細な作業はまだ人間にしかできないのである。