ポイ活をやっているだろうか。
○○活という言葉も○○女子並みに乱用されているが、「パパ活」しかり、自らの身を危険に晒しかねないグレーな行為を○○活というカジュアルな言い方で敷居を下げ、手を出しやすくさせてしまっているという面もある。
ちなみにパパ活界には○○女子構文もバッチリ使われており、パパから手当やタダ飯をごっつぁんする女のことを「いただき女子」と呼ぶらしい。
そして「お、オラも華梨奈さん(仮名)みたいな女子になりてえ」という里芋女子にカリスマいただき女子がいただき方を伝授するサロンが存在するらしい。
もしそれに大金を払っている女子がいたらその時点で「いただかれ女子」になっていると気づいた方がいい。いつの時代も一番儲けているのは「楽して儲けたい奴に楽して儲ける方法を売る奴」なのだ。
ともかくカジュアルな呼び方で危機感をなくさせて引き込むのは、シャブをあんぱんと言って勧めるのと同じ手口である。
ブランド小物を持ったキレイ目の女に「あなたもお野菜女子になってキメ活しようよ」と言われても安易に興味を持ってはいけない。
ポイ活はお得だけど、ポイ活中心生活はNO
などと書くとまるでポイ活が凄まじい違法行為をカジュアルに言っているだけに聞こえてしまうが、ポイ活自体は合法、そして比較的有益な活動である。
ポイ活とはポイント活動のことであり、買い物などでポイントを貯めて、お得に生活しようという活動である。
そういうと「ポイントカードありますか?」とレジ前で言われて、終業式帰り小学生のランドセル級に膨らんだ財布に入った十数枚のポイントカードから当該カードを選定する作業に入り、店員と後ろの客の「はよ」という圧に負けて探せばあるのに「ないです」と言ってしまう「ダサ活」を想像してしまうかもしれない。
ダサ活によって「無駄なスタンプカードは作るな」という新書が出そうな時期もあったが、現在ではポイ活を意識していない奴はマネーリテラシーが低い情弱という結論になっている。
では「できる男は財布がパンパン」という新書が出そうかというとそういう意味ではない。
現在提唱されているポイ活は、店ごとにポイントカードを作ってポイントを貯めるのではなく、一つのポイントに集中させて貯める活動だ。
クレカや電子マネーを使用すると大体ポイントがつく。支払い方法や使うブランドを統一することでバカにできないポイントが貯まるため、ポイ活をするかしていないかで大きな差がつくのだ。
しかしポイ活をしない奴は何やってもダメ、と同じぐらいマネー識者がサワー口にして言っているのが「ポイントのための活動はするな」である。
ポイントを貯めるために無駄な買い物をしてしまったら無意味だし、むしろマイナスだ。電気水道、通信費、ガチャなど生活に必要なものにポイントを絡ませ得するのが現在提唱されているポイ活である。
しかし、そんな「ポイントのためのポイ活」を助長させかねない悪の組織が現れた。
それは我らが「国」である。
政府のポイ活発表に「雅之女子」が大発生?
政府はこの夏、一定の節電をした企業や家庭に対し、ポイントを還元すると発表した。電力会社がすでにやっているポイント制度に国が参加してよりお得さを出し、国民の節電意識を喚起するのが目的のようだ。
この発表に対しては多くの家計を預かる鈴木雅之女子たちが瞬時に髭グラサンになって「違う、そうじゃない」のポージングをキメた。
しかし、この政策を聞いて阿吽の呼吸で「違う違う違う」「そうじゃない」ができた国民はまだいい。
問題は「月十数円ほどの還元」になり、「参加特典として2,000ポイントをプレゼント」するという節電ポイ活を、得と思ってガチでやってしまう人たちが現れることだ。
夏に一番電気を消費するものといったら「冷房」である。そして日本の夏は年々暑くなっており、特に今年は猛暑になるらしい。
つまり、ポイントを貯めるために冷房を使うのを躊躇して、熱中症になる人間が出てしまうかもしれないということである。
多分冷房で節電できる電気より、熱中症で倒れた患者を救急車で運ぶ方が電力を消費する気がするし、そもそも死んだら元も子もない。
ポイ活はこの自助推奨社会において必要な活動だが、あくまでついでに行う活動である。
ポイントを集めることが目的になっていないか、数円分のポイントを集めるためにもっと大損してないか、命を削っていないかを考えて行う必要がある。