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第6部 コンピュータシステム - 2.システムの信頼性と稼働率

重要度 >>> ★★★★☆

稼働率の計算問題が出題されることは確実です。またバスタブ曲線が表す3つの故障期間についてもその意味が問われるでしょう。

合格への攻略ポイント

■信頼性の計算~システムの稼働率

システムの信頼性を具体的な数値によって評価するものとして稼働率という指標があります。稼働率は一定期間内におけるシステムが問題なく作動する時間を比率で表現し、次の2つの値(MTBFとMTTR)から算出できます。

MTBF (Mean Time Between Failure・平均故障間隔)
稼働時間の平均
システムや機器が故障するまでの平均時間。つまり何らかの故障による修理から回復して次回故障するまでの平均時間。
【算出方法】
稼動している時間の総和÷期間中に発生した故障回数
MTTR (Me a n Time To Repair・平均修理時間)
非稼働時間の平均
故障したシステムや機器が修理によって回復するまでに要する時間の平均。
【算出方法】
修理時間の総和÷故障回数
稼働率
全運転時間に占める機器が正常に稼動している時間の割合
【算出方法】
稼働率=MTBF÷(MTBF+MTTR)=(全運転時間-故障時間)÷全運転時間

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■故障率の推移~バスタブ曲線

情報システムを構成する装置の信頼性を判断するには、その装置に発生する故障の頻度の把握がとても大切なポイントです。つまり、故障が少ないほどその装置に対する信頼性は高いといえるからです。また、装置の故障が発生する時期は次の表のとおり、初期故障期間、偶発故障期間及び摩耗故障期間の3期に区分され、その故障率はバスタブ曲線と呼ばれるカーブを描きます。試験対策としては磨耗故障期間に故障が頻発する装置と、逆に磨耗故障期間が存在しない装置を把握しておきましょう。

区分 特徴
初期故障 設計ミスや欠陥の存在など製造上の問題で運用開始後間もなく発生する故障
偶発故障 初期故障後に偶発的に生じる故障であり、これをなくすことは事実上不可能
磨耗故障 構成部品の磨耗や経年劣化などによる故障。想定される部品の事前の交換や定期点検などで発生を押さえ込むことが可能

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本試験出題例

全運転時間が100時間のとき、稼働率を0.9995以上にするには、故障時間を最大何分以内にする必要があるか。

  •  1
  •  3
  •  5
  •  7

【初級シスアド 平成14春期 問15改題】


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解答と解説

公式に当てはめて計算すればよい。

稼働率=(全稼働時間-故障時間)÷全稼働時間
故障時間をxとして、このxを求める。
(100-x)÷100=0.9995
x=0.05(時間)
故障時間は最大で0.05時間であるとわかり、分単位に換算すると
60×0.05=3(分)となる。

正解