今年も連休が近づき、本格的な行楽シーズンが到来した。家族旅行や帰省など、車やバイクでのドライブの機会も増えてくるだろう。それに加え、ガソリン税の暫定税率が復活するなど、ガソリン代の高騰も気にかかる。

そこで、走行距離 / 給油量 / ガソリン代を入力するだけで、燃費やトータルコストを自動的に計算・記録してくれ、さらには過去のデータ履歴記録、グラフ化までを行い、視覚的に確認できるようにするWebアプリ「Mileage」をオススメしたい。

Mileage

燃費やガソリン代の推移が一目で分かる「Mileage」は、財布にも環境にもやさしいドライビングの良きアドバイザーとなるだろう。

ソフト名 Mileage
作者 Piet Jonas
ジャンル ガソリン / 燃費 / 走行距離
種別 Webアプリケーション
動作確認 iPod touch、iPhone

機能と特長

Safariで「Mileage」にアクセスすると、「Units」(単位設定)、「Distance」(走行距離)、「Odometer」(オドメータ)、「Fuel」(給油量)、「Total Price」(料金)、「Tank Capacity」(ガソリンタンクの容量)などの入力項目が表示される(その前に巨大な広告が表示されるので、下にスクロールする)。これらに必要事項を入力していくだけで、燃費・走行距離といった情報が記録され一覧表示される。

「入力および設定項目」
Units 距離や容積、金額などの単位の設定。Metric、Imperial、UKの3種から選択
Distance 走行距離
Odometer(オドメータ / 総走行距離計)
from
前回ガソリンを満タンにした時のオドメータの数値
to 今回ガソリンを満タンにした時のオドメータの数値
Fuel 給油したガソリン量
Total Price 給油したガソリン料金
Tank Capacity 車のガソリンタンクの容量

保存されたデータはグラフ化され、燃費の推移などを視覚的に確認できる。また、保存したデータをカンマ区切りのデータとして直接メールに書き出し、パソコンなどに送信できるようになっている。

「Distance」「Odometer」「Fuel」「Total Price」「Tank Capacity」など9種類の情報について、折れ線グラフあるいは棒グラフ(縦横の2種)で表示できる

使用方法

最初に単位系を選択する。日本の場合は、国際単位系にあたる「Metric」を選ぶ

まずは、Units(単位)を決める。日本国内で使用する場合は国際単位系にあたる「Metric」を選択すると、距離はキロメートル(km)、容積はリッター(l)で計算されるようになる。残念ながら、「Total Price」などの通貨単位がユーロになってしまうが、記号を無視して日本円での金額をそのまま入力して利用するといいだろう。

単位を決めてしまえば、あとは項目にデータを入力していくだけだ。日付は自動的に入力され、修正はできない。またDistance(走行距離)とOdometer(オドメータ)は連動しているため、Odometerの「from」と「to」に数値を入れた場合、Distanceが自動的に計算される。OdometerのfromとDistanceに数値を入れた場合は、toが自動的に計算される。

入力完了後、[Save]をタップするとデータが保存され、「Mileage」、「Cost」、「Max.Range」の3項目が計算され表示される。

各項目を入力していく。「Distance」と「Odometer」は連動しているため、どちらかを入力すれば自動的に計算される

入力完了後、[Save]をタップするとデータが保存される

Mileageには、アメリカなどで一般的な燃費表示方法である、100km走った場合に消費されるガソリン量(l/100km)と、日本ではお馴染ののガソリン1リットルあたり何キロ走れるかを表す(km/l)の2種類が表示される。Costには100km走るのにガソリン代がいくらかかるかが表示される。Max.Rangeには算出された燃費で走行した場合、ガソリンタンク満タンで何キロ走れるかが表示される。この値は、次回の給油のタイミングを決める時に参考になるだろう。

データを保存すると燃費、100km走るために必要なガソリン代、ガソリン満タンで走れる距離が計算される

履歴が一目で分かる一覧表示

保存されたデータは「History」に一覧表示される。一覧表の左側には日付(Date)、右側には各データが表示される。データの種類はプルダウンメニューにより選択できる。

一覧表の各項目の右側にある[×]をタップすると、対象項目を削除できる。履歴すべてを消去するには、一覧表下にある[Clear]ボタンをタップする。ただし、何の確認も行わず即座にすべて消去されてしまうため、使用には注意が必要だ。

「History」には履歴が一覧表示される。左側に日付、右側に各データが表示される。デフォルトでは Distance(走行距離)が表示される

表示するデータの種類はプルダウンメニューで選択できる

「History」で表示できるデータ内容

データ 説明
Distance 走行距離
Fuel 給油したガソリン量
Total Price 給油したガソリン価格
Mileage 1 燃費1(km/l)
Mileage 2 燃費2(l/100km)
Cost 100km走るのにかかるコスト
Range ガソリンタンク満タンで走れる距離
Odometer オドメーター

グラフ化することで燃費の変化も一目瞭然

Historyの一覧表示で、[Chart]ボタンをタップするとグラフ表示に切り替わる。データとグラフの種類はプルダウンメニューから選択可能だ。使用できるグラフは、Line(折れ線グラフ)、Vertical Bar(縦棒グラフ)、Horizontal Bar(横棒グラフ)の3種類。必要に応じて使い分けよう。

プルダウンメニューで、データとグラフの種類を選ぶ

Mileage 1(燃費1、km/l)の折れ線グラフ

グラフはLine(折れ線グラフ)の他に、Vertical Bar(縦棒グラフ)やHorizontal Bar(横棒グラフ)が選択できる

グラフの縦軸、横軸などは、入力されているデータから自動的に設定されるため、特に設定する必要はない。すなわちデータが入力されていれば、[Chart]ボタンをタップするだけで、直ちにグラフ化され、データを視覚的に理解できる。

メールを使ってPCにデータ転送

入力したデータをパソコンに送り、表計算ソフトで活用することも可能だ。iPod touchがメールを送信できるように設定されていれば、[E-Mail]ボタンをタップするだけで、カンマ区切り形式のテキストデータとしてメール本文に貼り付けられる。あとは、宛先にメールアドレスを入力し送信するだけでデータを送信できる。

パソコンでこのメールを受信したら、テキストエディタなどを使ってデータ部分のみをファイルに保存する。このファイルは、CSV形式データとして表計算ソフトで読み込める。

[E-Mail]ボタンをタップするとデータがカンマ区切り形式でメール本文に貼り付けられる

パソコン側でメールを受信し、データをテキストエディタ等で保存する

Excelなどので表計算ソフトで、フィールドの区切り文字にカンマを指定するとデータを読み込める

シンプルだが必要充分な機能を持ったドライブの必需品

Mileageは、入力項目やわずらわしい設定を最小限にしているため、とてもシンプルで手軽に使用できる。また、入力したデータは日付順に一覧表示できるため、いつでも履歴を確認しやすい。履歴一覧表示も非常に便利な機能だが、何といっても、面倒な設定なしで簡単にグラフ化しできることが最大の特徴だろう。

そのため、突然の燃費の悪化など何か異常があった場合にも視覚的に判断できる。原因不明で突然悪化した場合は、車に何か異常が発生している可能性もある。そのまま放置すれば、貴重なガソリンも無駄になるし、不完全燃焼により空気も汚染される。さらに車自身にも深刻なダメージを与えている可能性もある。

燃費は車の健康状態を表すバロメーター、トラブルの早期発見のためにもMileageを役立ててほしい。