ラジオ講座で英語を学びたいという人に適したサン電子のトークマスタースリム「RIR-900」。前回は主な機能を紹介したが、使うにつれトークマスタースリムには英語を学ぶための便利な機能がついていることに気づく。ラジオ講座は英語をきれいに発音したい場合には向かない、と思っている人もいるだろう。英会話スクールのようにその場で講師が生徒の発音にアドバイスをするほうが上達するような気がする。トークマスタースリムは、発音を向上させるために役立つ機能もある。レッスン機能操作というものだ。

レッスン機能はラジオ講座の先生が話した後に自分の発音を内蔵マイクから録音する機能だ。録音後、先生の発音と自分の発音が交互に再生されるので、自分の発音の良い点、悪い点が自らチェックできるという機能である。英会話スクールと違って、自分でチェックしなければならないのだが、自分の録音した声は第三者の立場で聞くことができるからチェックしやすい。

トークマスタースリム「RIR-900」(写真右)。コンパクトなサイズで持ち運びにも便利

例えば、先生が"I am…"と話したら再生中に「録音/レッスン」ボタンを押す。直後に、自分も"I am…"と話し、終わったら再度「録音/レッスン」ボタンを押すと、自動で先生の"I am…"という発音が再生され、次に自分の"I am…"という発音が再生されるのだ。実際にやってみた。結果は……。自分の発音がいかに日本語的なのかが良くわかった。

きれいな発音を手に入れる

負け惜しみを言うようだが、実際にビジネスで英語を使う場合、職場にもよるが日本人的な発音でも通じるものなのである。もちろん、英語で仕事をされている人の中には、そんな甘いことを言っていられない方もたくさんいると思う。ただ、私が以前、電機メーカーで働いていたとき、きれいに発音しなくても英語って通じるものなのだと感じたことがある。

イヤホンを外すと、内部のスピーカーから音が聞こえる

電源の設計をしている課に、とても日本語的な発音をする人がいた。その電源設計課はミーティングに外国人が参加することもあり、その場合はすべて英語で話さなければならなかった。電源設計課のその人は、「あい、あむ・・・。じす、いず・・・」といった感じの発音をする。日本人には何を話しているのか、ものすごくわかりやすい英語だ。しかし、そんな発音で本場の英語を話す外国人に通じるのだろうか。何度か、打ち合わせでその人が英語を話しているのを聞いたことがある。不思議と、これが通じるのである。話の内容が、電源という狭い範囲で、出てくる単語も限られている。しかも、何度も互いにやり取りをしている相手だから、互いの話の癖がわかっている。そのような理由もあるのだろう。意外と英語って発音が悪くても通じてしまうものなのだな、と私は思った。とはいえ、英語で会話する相手が初対面のことが多い、話の範囲や使う単語が多岐に渡る、といった人は電源設計課の彼のようにはいかない。レッスン機能を駆使して、自らの発音を美しいものにしておかなければならないだろう。

単語の暗記もできる!

もうひとつ便利な機能を紹介するなら、単語帳機能だ。こちらは「単語帳」ボタンを押すと、"Good for you!"などと単語が液晶に表示され、「>>」ボタンを押すと、「よかったね!」といった具合に、対応する日本語も出てくるのだ。再生ボタンを押すと、単語の発音が聞こえ、さらには日本語の解説を耳で聞くこともできる。流し聞きモードに設定しておくと、自動で再生されるので、電車の中で語彙を増やす練習をするときに便利だ。本体にはあらかじめ単語帳用のコンテンツが用意されているが、付属のソフトウェアをパソコンにインストールして、自分に合った単語帳をダウンロードして購入することもできる。

ここまで、ラジオの録音、再生や単語帳機能などを紹介した。実は、トークマスタースリムは付属するUSB接続用のケーブルでパソコンに接続し、MP3のデータを取り込むことができる。単語帳の編集もできるし、ラジオの録音設定もパソコンの画面から行える。非常に便利である。そのほか、イコライザや画面のコントラスト設定など、機能は盛りだくさんである。一日では使いこなせないくらいの多機能ぶりなのだ。

充電器を使って充電

充電中の画面表示

トークマスタースリム「RIR-900」の価格は39,800円。ほかのポータブルプレーヤーと比べると、ラジオ、スピーカー、マイクがついている分、高くなっている。もうちょっと安いのはないのか、とお考えの方にはトークマスターIIといって、ラジオの録音などの機能が中心になっているシリーズもある。こちらは22,800円で購入できる。これからラジオを買って英語の勉強を始めようとしている人、あるいはポータブルプレーヤーを買って、音楽と英語、両方を聞きたいという人にはおすすめできる。

英語学習はいつから始めるのが良いのか。本来なら、子どもの頃から英語は習っておいたほうが良いのだろう。しかし、大人からはじめても遅くはない。勤めていた電機メーカーの同期のひとりは今でも技術者として、その会社で働いている。入社当時、彼女は大して英語はできなかったが、今ではTOEICで700点を超えるくらい上達したという。なぜか。取引相手がベルギー人だからである。コミュニケーションは全て英語。メールでのやり取りが多いらしいが、英語ができないとお手上げなのである。そこで、彼女は英会話スクールに通った。努力のかいもあり、徐々に英語ができるようになったらしい。人間って、本当に必要だと感じたら、多少困難なことでも真剣に乗り越えていくものである。

イラスト:YO-CO