前回はAndroidのウィジェット機能を活用し、Gmailアプリを便利に利用する方法について説明しました。しかし、Androidとは仕組みがだいぶ異なるものの、ウィジェット機能自体はiOSにも存在しています。

iOSのウィジェット機能は、Androidとは異なりホーム画面上に設置するのではなく、ウィジェット専用の画面でさまざまなミニアプリが利用できる仕組み。通知センターを左から右にスワイプする、あるいはホーム画面を左から右へとスワイプすることで呼び出すことができ、標準でも天気やニュースなど、さまざまなウィジェットが用意されていることから利用している人も意外と多いのではないでしょうか。

  • Gmailテクニック 第65回

    ホーム画面を左から右にスワイプするなどして呼び出せる、iOSのウィジェット機能。さまざまなミニアプリの利用が可能だが、Gmailのウィジェットはない

では、iOS版のGmailアプリでもAndroidと同様、ウィジェット機能を使ってアプリを起動せずにメールをチェックできるなどの便利機能が用意されているのか……といいますと、結論から言えばありません。「Googleマップ」などはウィジェットに対応しているのですが、Gmailアプリはウィジェット非対応なのです。

そうしたことからiOSではウィジェットを活用してGmailを便利にするのはなかなか難しいのですが、別のアプリを使ってほんの少し便利にすることは可能です。その1つは、iOS標準の「メール」アプリを使って特定の相手のメールが分かりやすくなるというもの。メールアプリはウィジェットに対応しており、登録することで「VIP」と呼ばれる重要な連絡先からのメールがチェックしやすくなるのです。

標準のメールアプリでGmailを利用するには、まず使用するGoogleアカウントをiOSに登録しておく必要があります。具体的な手順は省略しますが、設定画面から「パスワードとアカウント」を選んでGoogleアカウントにログインすれば追加できますし、既にメールアプリでGmailを利用している人なら、そちらを活用することも可能です。

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    iOS標準の「メール」でGmailを利用するには、「パスワードとアカウント」からGmailアカウントを追加すればよい

続いてウィジェットにメールアプリを登録します。先の方法でウィジェット画面を表示した後、画面を一番下までスクロールし「編集」をタップします。

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    ウィジェットを追加するには、ウィジェットの画面を表示した後一番下までスクロールし、「編集」をタップする

するとウィジェットの追加・削除画面が現れるので、「メール」の左側にある「+」ボタンをタップして追加します。

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    ウィジェットの追加・削除画面から「メール」を探し、その左にある「+」をタップすればウィジェットを追加できる

この状態でメールアプリにVIPの連絡先が登録されていない場合、メールのウィジェットには「VIPを追加」というボタンが表示されているので、ボタンをタップします。

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    VIPをまだ追加していない場合は「VIPを追加」をタップする

続いて「VIPを追加」をタップします。

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    次の画面でも「VIPを追加」をタップ

連絡先の一覧が現れたら、VIPに追加したい連絡先を選びます。

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    連絡先一覧が現れたら、VIPに登録したい連絡先を選んでタップすればよい

するとウィジェットには登録したVIPの連絡先が現れ、その相手から新着メールが届いた場合、印が付いて新着メールが分かりやすくなるほか、アイコンをタップすることでメールアプリを素早く起動できるようになります。ものすごく便利かと言われると微妙な所でもありますが、以前よりメールアプリでGmailを管理している人であれば便利になること間違いないでしょう。

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    VIPを登録すると、登録した連絡先のアイコンが現れ、新着メールの数などが分かるようになる

もう1つ、ウィジェット機能を使ったGmailの便利な活用方法として挙げられるのが、「Launcher」というアプリを使った方法です。これはウィジェットから、さまざまなアプリや機能を呼び出せるもので、ここにGmailアプリを登録することで、ウィジェットからさまざまな方法でGmailを呼び出せるようになるのです。

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    「Launcher」ウィジェットを使えば、Gmailのアプリをさまざまな方法で呼び出せるようになる

まずはLauncherアプリをダウンロードして起動し、「新規追加」をタップします。

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    「Launcher」をインストールしたらアプリとして起動し、「新規追加」をタップする

いくつかのアイコンが現れるので、ここで「アプリランチャー」を選びます。

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    いくつかのアイコンが表示されたら「アプリランチャー」を選ぶ

続いてウィジェットから呼び出せるアプリの一覧が現れるので、「Gmail」を選びます。

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    アプリ一覧の中から「Gmail」を探してタップする

ここで「アプリを開く」を選ぶと通常通りGmailを起動するアイコンが、「メールを作成する」を選ぶとGmailの作成画面を呼び出すアイコンがウィジェットに追加されます。

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    用途に応じて「アプリを開く」「メールを作成する」「メールを送る」のうちいずれかを選ぶ

また「メールを送る」を選択すると、特定の相手に直接メールを送ることができるアイコンの追加も可能です。決まった相手にメールを送ることが多い人は、こちらを活用すると便利になるのではないでしょうか。

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    「メールを送る」を選び連絡先を登録すれば、特定の相手に直接メールを送信できるアイコンも作ることが可能だ

一通り設定が終わったら、メールアプリと同じ方法で「Launcher」をウィジェットに追加することで、Launcherのウィジェットが使えるようになります。ウィジェットは通知センター、つまりロック解除前でも呼び出せるので、より素早くGmailを利用したいという人は便利になるのではないでしょうか。

著者プロフィール: 佐野正弘

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。