ゲーム実況やeスポーツの盛り上がりとともに、耳にすることが増えた「ゲーミングPC」という言葉。でも「なんとなくすごそう」とは思っていても、実はどんなPCかは知らない…そんな人も多いのでは?
この「今さら聞けないゲーミングPC」連載では、「今さら人に聞けないけど気になってる」「興味はあるけど、何から調べてみたらいいかわからない」という方に向けて、漫画でゲーミングPCの基本を丁寧に解説していきます。専門用語はなるべくやさしく、知識ゼロでもOK! PCゲームの世界へ、第一歩を踏み出してみませんか?
今回は、人気漫画家兼イラストレーターの「菅原県さん」に漫画化してもらいました!
ゲーミングPCには欠かせないGPU、そのGPUには「GeForce」と「Radeon」の2大巨頭があることはわかっていただけたと思います。ただ、GeForceもRadeonも種類がたくさんあるので、どれを選べば良いのか迷ってしまうことも。実は、GPUの型番(モデル名)には法則性があり、そこからある程度の性能の大小を判断することができるのです。
GeForceの法則
まずはGeForceの法則から。いくつかのモデルをいくつか挙げて、解説しましょう。
- GeForce RTX 4080
- GeForce RTX 4070 Ti
- GeForce RTX 4070
- GeForce RTX 4060
- GeForce RTX 3080
- GeForce RTX 3070 Ti
- GeForce RTX 3070
- GeForce RTX 3060
- GeForce RTX 2080 Ti
- GeForce RTX 2080 Super
- GeForce RTX 2080
- GeForce RTX 2070
まず注目するのは、数字の4桁目、千の位のところ。ここはGPUの「世代」を表しており、4000番台が現行最新世代のGeForceです。前の世代は3000番台だし、もし次世代が出てくれば5000番台になるのかもしれません。この「世代」の変更で、半導体の性能や使える機能が刷新されるため、数字が大きいほど高性能ということになります。
続いて2桁目、10の位のところは、数字が大きいほど世代内での性能が高いことになります。同世代内であれば機能面で大きく変わらないものの、数字が大きいほど単純に処理能力が大きいというものです。目安として、xx80より上は描画品質のためにコストを厭わない超上級者向け。ねらい目はxx70やxx60で、GeForceでは、ここがミドルクラスやパフォーマンスクラスとも呼ばれる価格と性能のバランスがいいモデルとなることが多いようです。また、同時代の最新ゲームをフルHDで遊ぶのであればxx60でも十分、2Kはxx60、4Kはxx80以上という目安になります。
ちょっとややこしいのは、4桁目の世代は下で、2桁目は上というパターン。たとえば以下のような2モデル、どちらが性能が高いのか迷ってしまいます。
- GeForce RTX 4070
- GeForce RTX 3080
この場合、世代が異なると使える機能にも差が出ることがあるので、単純な比較はできませんが、おおむね実際のゲーム体験で言えば、性能は同等か、GeForce RTX 4070はほんの数パーセント上となっています。GeForceでは、性能進化をアピールする目的もかねて、新世代のxx70やxx60を、前世代のxx80相当の性能とすることがよくあります。たまに例外はあるものの、4桁目が一段上がると、昔の超上級者向け性能を持つ手の届くGPUが出てくると思っておけばいいでしょう。
そして最後のポイント。数字の羅列のあとに、「Ti」や「SUPER」などの文字が追加されていることがあります。基本的には、これらが付いていると、通常版と機能は変わらないが処理性能が高い、と覚えておくといいでしょう。
ちなみに、「Ti」は「Titanium」の略で、その昔は、通常のGeForceが発売されてしばらく期間が過ぎると、決定版のように「Titanium」モデルが発売となることから、新型が出てもTitanium版を待つような人もいたほど人気があった称号だったりもしました。
もうひとつの「SUPER」は、主にマイナーチェンジ版という位置づけで付けられます。少しだけ性能がブラッシュアップされたり、回路の見直しで電力効率が改善したり、ちょっとした改良があると「SUPER」になることがあります。「Ti」版の登場はほぼ定番ですが、「SUPER」版は存在しないGPUも多いので、基本は「Ti」の有無を気にしておくといいでしょう。ちなみにxx70 Tiとxx70 SUPERなど両方ある場合は、基本的に性能は「Ti」の方が高くなります。
次回もゲーミングPCにまつわるエピソードを紹介します!
