Excelのオートフィル機能については、あえてここで触れる必要はないのでは? とも思うのが、あまりにもOfficeが企業をはじめ、学校、家庭にも導入され、使えることが当たり前になってしまったことにより、Officeの教育を行なう企業が少なくなり、また、使えないといえないユーザーが増えたためか、独自の使い方をしているユーザーの方を多々見かける。声を掛けると「そんな機能、知らなかった」と答える方も多い。そんなこともあり、今回はオートフィルについて説明する。

まずは、基本的な機能から説明しよう。数値「1」が入力されている[B1]を選択し、フィルハンドル(セルの右下隅)にマウスポインタを合わせ、黒十字に変わったところで、マウスを下方向にドラッグする。すると、同じ数値「1」がコピーされる。また、右下に表示される[オートフィルオプション]ボタンの▼をクリックするとにより、オートフィルを行った際のコピーをどのような形で行うのかを選択できる。

フィルハンドルを使ったセルのコピー

同じ数値を入力したいということであれば[セルのコピー]のままで構わないが、1.2.3...というように連続した番号を入力したいのであれば、[連続データ]を選択する。

[オートフィルオプション]で表示されるメニュー(左)。オートフィルで入力された連続データ(右)

また、複数のセルを選択してオートフィルを行うと、セル間の関係を考慮してコピーを行う。1.3.5.7...と入力したい場合には、「1」「3」と入力したセルを範囲選択して、オートフィルを行う。

セル間の関係を考慮したオートフィルとその結果

数式が入力されているセルにも、オートフィル機能は使用できる。しかし、数式はきちんと意図したとおりにコピーができているが、罫線が意図したものではなくなってしまうことも多い。オートフィル機能はセルに入力されている数値や文字だけではなく、セルに設定された書式設定もコピーしてしまうため、今回は、合計と普通のデータの間の二重線が崩れてしまった。

数式をオートフィルし、罫線が崩れてしまった表

罫線を引きなおすのも間違った操作ではないが、[オートフィルオプション]の[書式なしコピー(フィル)]を選択するとより素早く修正できる。これは、書式なしでコピ―を行うという意味だ。

慌てず、[オートフィルオプション]で[書式なしコピー(フィル)]を選択

では、罫線が崩れてしまったことにしばらく気が付かず、[オートフィルオプション]ボタンが表示されなくなってしまった場合にはどうすればいいか?

今回は左列の書式設定を利用しよう。また、左ドラッグではなく、右ドラッグを使ってみよう。コピーしたい範囲の右下のフィルハンドルをマウスの右ボタンを押しながらD列までドラッグする。すると、ショートカットメニューが表示されるので[書式のみコピー]を選択する。セルに入力されている数式はそのままで、書式設定だけコピーするという意味だ。

右ドラッグでもメニューが表示され、様々なオートフィルの機能を選択可能

なにげなく使用しているオートフィル機能だが、[オートフィルオプション]を上手に使うことにより、さらに業務に便利に使えるのではないだろうか?また、表にコピーを行う際にも、罫線を壊してしまう不安を払拭できたのではないか。