苦情であっても怒りにまかせてはイケマセン

米国のWebサイトから直接品物を購入したけれど、品物が届かない、傷物だった、部品や付いてくるはずのCDが足りない……などのトラブルを経験された方も多いかもしれません。そんなときに書くのが前回紹介した"complaint letter"ですが、今回はもうちょっと詳しく、どのように点に気を付けて書けばいいのかをお話ししましょう。

まずは、文面がethical(道徳的な)で、courteous(礼儀正しい)なトーンになっているかどうかに気を付けてください。苦情の手紙を書くような状況にあるのなら、怒りをぶつけたくなるか、そこまでいかなくてもかなり不愉快な気持ちになっているとは思いますが、「これはbusiness letterである」ということをわきまえて丁寧に書きましょう。というのも、米国は日本と違ってあたりまえのように間違い(errorやflaw)が発生する国なので、問い合わせや返品、商品の交換をお願いすれば、すんなりと受け付けてくれるからです。「日本人だからばかにされ」たなどということでは決してありませんので、堂々と自分の要望を主張すればそれなりの対応を取ってくれます。成功を導き出す心構えで手紙に取り組みましょう。

Ex.「注文したiPodが届きません、すぐに送ってください」と書いてみる

次は文面全体の詳細な構成について、具体的な例を上げて説明します。サンプルレターはこちらをご覧ください。

Heading(差出人の住所など)、date line / inside address(受取人の名前と住所)については順番を気にする程度で十分でしょう。"Dear"で始まるsalutationは:(コロン)で終わるのが正式文書らしい書き方です。Business letterの場合、salutationに,(カンマ)は使いませんので、ご注意ください。本文の後にはcomplimentary closeと呼ばれる正式な終わりの挨拶を書きますが、"Sincerely" "Respectfully" "Sincerely yours"などを使います。その後には署名と名前、場合によってはEmailアドレスも書きます。さらに、同封する資料があればenclosure(s) lineといわれる部分に"Encl.:"に続けて書きます。

そして本文の各paragraphは、

  • 問題を明確に手短に述べ
  • 詳細を説明し
  • どうしてほしいのかを伝え
  • いつまでにやってほしいのかの期限を書く

という順番が一般的なパターンです。つまり、最初のparagraphはWH questionsの短い答えをつないで文章を作り、何が問題なのかを明らかにします。2つめのparagraphでは状況や問題が発生するまでの経緯などの詳細を説明します。続くparagraphでは何をしてほしいのかをできるだけ具体的に書きます。おそらく相手はお願いしたとおりのことをやってくれると思いますが、別の見方をすると「ここに書いたことしかやってくれない」はずなので、抜けのないように気を付けましょう。本文の最後のparagraphではいつまでにお願いしたことをやってほしいかを具体的に書きます。

本文を書くときには、ethicalでcourteousであることに気を付けるほか、とくに"get to the point right away" つまり手紙の読み手がすばやく内容を把握できるように書くことも大切です。そのためには"many difficulties"や"bad situation"などのあいまいな表現を避ける、重要なことから順番に書いていくなどの工夫をするといいでしょう。また、日本語でよく使う「お忙しいかとは思いますが」「お手数ですが」といっった表現は英語ではmeek(消極的)な印象を与えると同時に、何をしてほしいのかがになりがちなので、"Please do something"や"I will welcome something"のようにpositive(積極的)かつassertive(自信ある)に言うほうがわかりやすいでしょう。

E-mailのポイントは"読み直し"

Complaint letterの書き方から少しそれますが、オンラインショッピングの場合、snail mail(通常の郵便)ではなく、電子メールやWebサイトのフォームを利用するケースが多いと思いますので、こちらについても簡単に触れておきます。

電子的なメッセージの場合、通常、subjectを付けますが、これは3あるいは4 words程度で内容を明確に表現するようにします。たとえば"iPod delivery problem"のようなsubjectです。また、letterのheadingに書いた差出人の住所などは最後に書くのが一般的です。さらに、日付は自動的に付けられるので書きませんし、受け取り先となるinside addressも書く必要はありません。本文についてはletterの場合と同様ですが、とくに気を付けたいのは、送る前に読み直して推敲する時間を設けることです。これは英語に限らない世界共通の電子メールの注意点なので、読者のみなさまなら十分に経験されていると思いますが、忘れずに実行してください。

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これで、complaint letterを書く準備はできましたね。できればcomplaint letterを書かなければならない状況には陥りたくありませんが、いつ必要になるかわかりません。そうなった場合のことを想定して英文ライティングを練習してみてください。

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