東京eスポーツフフェスタ2022運営事務局は、2022年1月28日~30日の3日間、東京ビッグサイトにて「東京eスポーツフェスタ2022」を開催しました。
当初は有観客オフラインの予定でしたが、新型コロナウイルスの影響によりオンライン(一部無観客オフライン)に変更。オフライン開催であれば、筆者も産業展示会にeスポーツカメラマンや同業のライターと出展する予定でしたが、残念ながら次回へ繰り越しとなりました。
オンラインでは、eスポーツやイベントを中心としたメインチャンネルと出展社によるプレゼンテーション、プログラミング講座などを行うビジネス・学習チャンネルの2つのチャンネルで配信を行っていました。プラットフォームは、YouTube、ニコニコ生放送、OPENREC.tv、Twitch。3日間の総視聴者数は約14万を記録しました。
東京eスポーツフェスタは2022年で3回目。例年、eスポーツの競技大会やeスポーツに関するセミナー、イベントなどを展開するとともに、関連産業展示会では、東京都の中小企業の発展、新興を目的に、企業や団体が出展します。今回はオンラインで紹介。オンライン展示会の会期は1月21日~2月28日までで、それぞれの企業の概要や問い合わせ先、オンライン商談の予約などを行うことができます。参加企業は、eスポーツチームをはじめ、ゲーム開発、周辺機器メーカー、イベント企画・運営、学校・教育など多岐にわたります。
オープニングでは、東京eスポーツフェスタ実行委員会名誉委員長である小池百合子都知事がビデオメッセージで登場。さらに、日本eスポーツ連合(JeSU)の岡村秀樹会長やアンバサダーを務めるコスプレイヤーのえなこさんが登壇し、開会のコメントを述べました。
メインとなるeスポーツ競技大会は、『eBASEBALL プロ野球スピリッツ2021 グランドスラム』『グランツーリスモSPORT』『太鼓の達人NintedoSwitchば~じょん!』『パズドラ』『ぷよぷよeスポーツ』『モンスターストライク』の6タイトルで開催。それぞれのタイトルごとにオンライン予選を実施し、本戦に進出した選手が「東京eスポーツフェスタ2022」の会場で優勝を争います。また、特別企画として、オンライン予選を通過した33名による『Fall Guys』の大会も開催されました。
eスポーツイベントは、2日目と3日目に行われ、2日目の最初に開催されたのは『グランツーリスモSPORT』の決勝大会。オンライン予選を勝ち抜いた8名が出場です。
まだ運転免許の取得年齢に達していないCRV選手やとかり選手などが先行するなか、2021年の東京eスポーツフェスタ大会で優勝した宮園拓真選手が逆転優勝を飾りました。今回大会で使用されたステージ「東京エクスプレスウェイ南ルート外回り」は、首都高をモデルにしたコースで、東京eスポーツフェスタに相応しいコースだったでしょう。
次に開催されたのは『ぷよぷよeスポーツ』。キッズ部門、一般部門、プロ部門の3部門で行われました。キッズ部門ではhayato選手が、一般部門ではながれ選手が、プロ部門ではlive選手が優勝。どの部門もレベルが高く、キッズ部門ですら大連鎖や相手との駆け引きによる対応力の高さをみせていました。
2日目最後を飾るのは『パズドラ』。東京eスポーツフェスタで毎年大会が開催されており、優勝者にはプロライセンス認定権利が与えられる注目の大会です。優勝はちっぴー選手。前回大会で惜しくも決勝戦で敗退してしまっていたので、見事、1年越しのリベンジを果たしました。
3日目の最初のタイトルは『eBASEBALL プロ野球スピリッツ2021 グランドスラム』。今回のeスポーツイベントで唯一のオフライン決勝大会が開催されました。セ・パ両リーグ各2つ、計4つのオンライン予選の組み合わせで予選ランキング1位の4人が東京eスポーツフェスタ本戦に出場。優勝したのはあらき選手。あらき選手は「eBASEBALL パワフルプロ野球」のプロ選手としても活躍しているプレイヤーです。
「この大会で活躍することで、eBASEBALLで『パワプロ』のリーグ戦を復活するようにアピールしていきたかったので、優勝できたのはよかったです」とコメントを残していました。
次に開催されたのは『太鼓の達人NintedoSwitchばーじょん!』。親子部門と一般部門の2つで開催されています。親子部門では、だいちゃん選手とけんとっぴ選手のペアが優勝。一般部門では、やまはる選手が優勝しました。
けんとっぴ選手は「一昨年の東京eスポーツフェスタの『太鼓の達人』の大会をみて、いつか親子で出たいと思っていました」と答えており、大会の影響力の高さがうかがえます。
やまはる選手は決勝戦の「さんぽ(おに裏)」で、フルコンボ、オール良を獲得。「このモードではこれ以上の点は出ません」とパーフェクトで勝利を飾っていました。
リズムゲームは、単純なうえ、その難しさも体感できるので、eスポーツやゲームに詳しくない人でもそのすごさがわかりやすいジャンルです。「さんぽ(おに裏)」のフルコンボ、オール良のプレイは、ぜひYouTubeなどのアーカイブで見てほしいところです。
元々『太鼓の達人』は、小池百合子都知事が「私でも知っている」と、ゲームに詳しくない人でも楽しめるよう導入したタイトルでしたが、いざ大会を開いてみると参加者はガチ勢ぞろい。どんなゲームでも極めている人がいるということがわかります。
最後に『モンスターストライク』の大会です。親子(ファミリー)部門と一般部門の2部門が用意され、それぞれ2名1組で対戦をします。
ファミリー部門で優勝したのは、リトルバード@福岡市ののーふぇいす選手と空色選手のペア。一般部門では、おんみょーんのぴっぴ選手とさる選手のペアが優勝しました。
親子部門で優勝した空色選手は「これからもお父さんと続けて行きたいです」とコメント。ゲームを通じて親子の絆が深まった場面を垣間見ることができました。
おんみょーんのさる選手は「最後のCats戦がキツかったです。相手がうまかったのでいかにミスしないか気をつけていました」と話します。決勝戦に進出した8チームにはプロ選手や大会優勝経験者などがおり、決勝戦の相手である「えなこりん教」はモンストプロリーグの覇者であるCatsのメンバー、ねこa選手とあやたか選手のペア。これまでにない強敵相手に勝利できたことで感慨もひとしお、といった印象を受けました。
ビジネス・学習チャンネルでは、eスポーツ関係者によるセミナーやeスポーツ選手によるプログラミング講座、eスポーツ教室などを開催。手前味噌ながら初日に配信された「eスポーツのお仕事紹介セミナー」では、登壇させていただきました。メインチャンネルでもeスポーツ競技大会以外にセミナーやeスポーツ番組eGGによる「えなこの東京eスポーツ学校」などのコンテンツも配信していました。
今回取材して感じたのは、若いファミリーはゲームをうまく使っているということ。『太鼓の達人』と『モンスターストライク』の親子部門で優勝した2チームは、いずれも親が誘って大会に参加しています。子供とコミュニケーションをとるツールとして利用していますし、遊ぶだけでなく大会で勝つことを目指す努力も教えているようでした。
ゲームをやりすぎてしまうと、当然弊害が出てしまうこともあるでしょうが、うまく利用できれば、家族や友達とうまく付き合うためのツールとなりえます。
それにはゲームを与えるだけではなく、一緒に本気でプレイすることが必要。野球でいえば、ボールとグローブを買うだけでなく、一緒にキャッチボールすることに意味があるわけです。
東京eスポーツフェスタは、そのきっかけを作ってくれる場なので、今後も継続的に開催し、次回こそはオフラインでの開催を願いたいところです。