2021年12月19日、25日、26日の3日間に、第4回全国高校eスポーツ選手権の決勝戦が開催されました。今大会では、これまで採用されてきた『ロケットリーグ』(25日開催)と『League of Legends』(26日開催)の2タイトルに、新たに『Fortnite』(19日開催)が加わりました。

新型コロナウイルス感染症の状況を考慮し、『Fortnite』はオンラインで、『ロケットリーグ』と『League of Legends』は、LFS池袋にてオフライン無観客で実施。エントリー数は、『Fortnite』が260校447チーム、『ロケットリーグ』が108校161チーム、『League of Legends』が114校164チームと過去最大数を誇っています。

  • 第4回全国高校eスポーツ選手権

    無観客形式ではありますが、オフラインで開催できたのは喜ばしいことでした

19日に行われた『Fortnite』部門は、予選を通過した40チーム80名によるバトルロイヤル。全5ゲームを行い、敵プレイヤーを倒して獲得する「撃破ポイント」と、ゲームの順位による「生存ポイント」を合算した総合ポイントによって勝敗が争われます。生存ポイントは1位(Victory Royal)が10ポイント、2~5位が7ポイント、6~10位が5ポイント、11~15位が3ポイント、16位以下がポイントなしです。撃破ポイントは1撃破につき1ポイント。上位入賞してしまえば、生存ポイントで大きな差が出にくいレギュレーションなので、よりアグレッシブな戦いで撃破数を稼ぐほうが優位に立てそうです。

注目すべきは、全国高校eスポーツ選手権常連のルネサンス高校とN高校。ルネサンス高校は8チームが、N高校は4チーム、S高校を含めれば6チームが決勝大会に出場しています。しかも、予選Day1ではN高校「イケボくん・まーくん」チームが1位通過、予選Day2ではN高校「イノシシ舐めんな」チームが1位通過をし、実力の高さを示しています。

しかし、そんななか優勝したのは吹田高校の「あいうえお」チームでした。総合49ポイントと2位のルネサンス大阪高校「ミニデカポ中毒者」にわずか1ポイント差での勝利です。「あいうえお」チームは、2ゲーム目こそ1位を獲得しましたが、1ゲーム目は18位、3ゲーム目は2位、4ゲーム目は33位、5ゲーム目は6位とそこまで安定した結果は出せていませんでした。ですが、撃破ポイントを稼いだことで、混戦を制し、全国高校eスポーツ選手権『Fortnite』部門の初代王者となりました。

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    2ゲーム目でビクトリーロイヤルを獲得した吹田高校の「あいうえお」チーム

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    優勝した吹田高校「あいうえお」の総合ポイントは49ポイント。2位と1ポイント差と、実力が拮抗した僅差の勝利でした

25日に行われた『ロケットリーグ』部門は、N高校「Nポテ」、福井工業大学付属福井高校「サルの音楽隊」、可児工業高校「KTRL」、阿南工業高専「Kamase Dogs」の4校が決勝大会に進出しました。競技形式は1試合5分のBO5(3勝勝ち抜け)で行います。

N高校にはプロeスポーツチーム「DeToNator」でプロ選手として登録しているBurn選手が参加しており、優勝候補筆頭と目されていました。そして、下馬評通り、Burn選手が大活躍。N高校を優勝に導くと同時にMVPも獲得しました。準決勝、決勝戦と無傷の6連勝での勝利はまさに圧巻。これでN高校は2年連続で優勝を手にしました。

なお、Burn選手は高校3年生で、今回が最後の大会です。高校1・2年生のときはほかの高校へ通っており、全国高校eスポーツ選手権の出場のためにメンバーを募っていましたが集めることができなかったため、高校3年生でN高校へ編入した経緯の持ち主。待望の全国高校eスポーツ選手権出場を果たし、悲願の優勝を勝ち取りました。

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    見事連覇を達成したN高校「Nポテ」チーム

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    プロ選手でもあるBurn選手の活躍が光りました

26日に行われた『League of Legends』部門は、N高校「N1」、ルネサンス大阪高校「ロイヤル決して諦めない」、アートカレッジ神戸「ACK A」、クラーク記念国際秋葉原「Yuki飯食べ隊」の4校が決勝大会に進出。競技形式は準決勝がBO1、決勝がBO3で行います。

準決勝1試合目は、ルネサンス大阪高校「ロイヤル決して諦めない」とアートカレッジ神戸「ACK A」の関西勢対決を、アートカレッジ神戸「ACK A」が制して決勝進出を決めます。

準決勝2試合目は、連覇のかかるN高校「N1」と、何度もN1と対戦し、苦汁を飲まされているクラーク記念国際秋葉原の「Yuki飯食べ隊」の対戦。「Yuki飯食べ隊」は、優勝を目標にすると同時に打倒「N1」を掲げ、対策を練ってきました。

そして、隠し球であったチャンピオン「ザイラ」が見事にハマり、「N1」を圧倒します。一発勝負の短期決戦も追い風となり、「Yuki飯食べ隊」が決勝に進出。「N1」を破った勢いをそのままに、「ACK A」を連勝で破り、念願の初優勝を飾りました。

「これからはクラーク記念国際の時代だ!」と高らかに宣言した「Yuki飯食べ隊」のsiroshi15選手。優勝の勢いに任せた発言に見えますが、「Yuki飯食べ隊」はサブを含め2年生が3人いるので、来年の活躍にも期待できます。

かたや「N1」は、rre選手以外すべて3年生と、新戦力頼りになってしまうところがウィークポイントとなるかもしれません。また、「N1」が敗北したことで、全国高校eスポーツ選手権の参加校すべてが年々スキルアップしていることがわかります。

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    因縁の対決と言えるN高校「N1」とクラーク記念国際「Yuki飯食べ隊」の組み合わせ

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    優勝したクラーク記念国際秋葉原の「Yuki飯食べ隊」

なお、これまでは大会の最後に次回大会開催の告知がありましたが、今回はありませんでした。開催が未定となっているのではなく、もはや開催することが当たり前になった証として告知しなかったのではないかと、勝手に解釈しています。

もはや中高生ゲーマーにとって、全国高校eスポーツ選手権は目標のひとつ。2022年も熱い戦いを待っています。叶うのであれば、オフラインで有観客での開催も願いたいところです。

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