n年前の今日、どんな出来事があったか覚えていますか?本コーナーでは、ちょっと懐かしいガジェット関連のトピックを振り返ってお届けします。最新情報の箸休めにでもご笑覧ください。 |
2019年9月4日、ニコンがプロ向けデジタル一眼レフカメラ「D6」およびFマウント望遠ズームレンズ「AF-S NIKKOR 120-300mm f/2.8E FL ED SR VR」の開発を発表しました。
D6は有効2082万画素のフルサイズCMOSセンサーと画像処理エンジン「EXPEED 6」を搭載するFマウントのデジタル一眼レフカメラ。開発発表の後、2020年2月12日に正式発表され、同年の6月5日に発売されました。
前世代からAFセンサー密度を約1.6倍に高めた「全点クロスタイプセンサー105点AFシステム」、「グループエリアAF」や「AFロックオン」機能の搭載、中央-4.5EVまで対応する低輝度AFなど、スポーツ撮影を始めとしたプロの動体撮影を支えるAF性能を徹底的に強化しました。また、無線転送にも報道写真のワークフローを考慮した機能が盛り込まれているのも新世代のプロ機らしい特徴でしょう。
あえて正式発表日や発売日ではなく開発発表日、言い換えれば「D6が出るぞ!」ということだけが分かった段階の日をなぜ本連載でピックアップしてみたかというと、ライバルの「EOS-1D X Mark III」も含めて、この世代のプロ機は「ミラーレスではなく一眼レフで出てきた」ということ自体が大きなニュースだったからです。
このクラスのカメラは通常、最も華々しい活躍の場となるオリンピックの開催周期にあわせて、つまりは4年ごとにモデルチェンジされます。2019年時点ではニコンもキヤノンもミラーレスに軸足を移しつつもプロ向けの高性能機はまだないという状況でしたし、自国開催の東京オリンピックを控えたタイミングでしたから、ここが大きな転換期になると予想していた人も多かったのではないでしょうか。
実際には、ニコンのプロ向けミラーレスの登場は2021年末の「Z 9」を待つことになり、Z 9はその後長く品薄状態が続くほどのヒット作となりました。2024年のパリオリンピックではプロカメラマンたちの一眼レフ/ミラーレスの割合はどれぐらい変わってくるか、そんなところにも目が行きそうです。