万が一のことがあったら……と思ってパックすると、外出時の携行品は重量が嵩(かさ)むばかりだ。パソコンに代表されるデバイスはキロ単位で、それは仕方がないとしても、本当に、大容量のモバイルバッテリーやACアダプタなどは必要なんだろうか。
宿泊を伴う出張や、丸一日拘束されるカンファレンスならともかく、日常的な外出では、ここのところ、それらの装備を使ったことがない。数本のケーブルやACのたこ足用タップ、マウスなど、なくてもなんとかなるものをいれるとけっこうな重量になってしまう。
ここをダイエットしてみようと思い立った。
うわっ、多すぎ? 携行品のダイエットをもくろむ
携行品が多くなってしまうのは、カバンに入ってしまうからだ。入ってしまうからあれも入れておこう、これも入れておこうということになる。だから、ミニマムなカバンを調達すればいいんじゃないかと考えた。
そんなときに、タイミングよく、エレコムからバックパックとメッセンジャーバッグが発売されるというお知らせが届いた。そこで、お願いして発売前の製品をしばらく借りさせてもらった。
まず、バックパック(製品ページ)は波形の低反発ポリウレタンが衝撃を吸収する。内部の保護ができるエレコムの登録商標としても知られるZEROSHOCKシリーズのもので、収納可能なノートパソコンが14インチ用と15.6インチ用の2種類あって、今回は14インチ用を試した。
また、メッセンジャーバッグ(製品ページ)も同様にZEROSHOCKシリーズだが、こちらは14インチまでのパソコンを収納できるサイズ1種類だけだ。
両方ともノートパソコンは14インチまでとあるが、15インチのMicrosoft Surface Laptopで試してみたら、すんなりと入れることができた。15.6インチでも薄型狭額縁のパソコンならなんとかなりそうだ。
小さめで薄く、軽いバッグ。使い勝手はどうか?
バックパックもメッセンジャーバッグもほとんどマチがないので、拡張性は高くない。外出先への往路はともかく、途中で荷物が増えたときには内側に収納するのが難しい。
自宅最寄り駅に降りて立ち寄ったスーパーで買い物などをしたときにはちょっと困る。個人的には、クリアファイルを数枚常備していて、途中で入手したA4書類がシワになったりしないように防御しているし、パンツのポケットにはエコバッグを忍ばせてある。
残念なのはメッセンジャーバッグにペットボトルホルダーがないこと。バックパックには装備されているが500mlのボトルを入れるにはちょっと窮屈だ。ただ、窮屈なだけにしっかりと固定されるので、脱落する可能性は低いと思う。
バックパックの背面にはキャリースーツケースのハンドルに固定できるベルトも装備されている。これなら宿泊を伴う出張で、キャリーケースと併用するときに重宝する。
表面には撥水加工が施されている。また、背面はエアーメッシュが採用され通気性も確保されている。昨今の日本の真夏は、たとえメッシュ仕様であっても耐えられないくらいに暑くなってしまっているが、これからのシーズンなら問題ない。
何とか200gの減量に成功、バッグの軽量化に期待
バックパックは760g、メッセンジャーバッグは650gと、丈夫さが確保されているにもかかわらず、かなり軽い。しかもバックパックが自立するのもうれしい。
これはしっかりした低反発ポリウレタンの剛性とそのレイアウトのおかげだ。重量的にもかなりがんばっていて、この手のバッグの中でも軽量の部類に入る。
ここにベルキンの45W Wall Charger、そして、2メートルのUSB-Cケーブルだけを入れる。実測で合計107gだ。たぶんなくても大丈夫だが、本当に念のために入れておく。
今使っているパソコンは、けっこう重くて1,255gある。つまり合計1,362gとなる。
そして、絶対に必要な日だけ、予想される稼働時間に応じて適当な容量のモバイルバッテリを加える。あとは折りたたみ傘とティッシュペーパーくらいだろうか。雨に濡れた傘の収納用にレジ袋がひとつあれば便利、とキリがないわけで……。
今回ダイエットできたのはわずか200g程度で、総重量は3キロを下回れなかった。だが、カバン自体がコンパクトになって機動性が高まった。着実にミニマムに近づいている。エレコムにはZEROSHOCKシリーズのさらなる軽量化を望みたい。
でも、しばらくはこれで試行錯誤を重ねることにしよう。
