アナログ停波まであと約600日弱。そろそろ地デジ対応テレビとレコーダーを買い替えなければと思っている人は多いだろうが、最近の消費者はみな賢くて「焦って買いに走ると損をする」「できるだけギリギリで買った方がお得」ということをよく知っている。
実際、昨年発売のモデルと今年発売のモデルでは、やはり見やすさが違う。それでいて価格は数割も下がっているのだから、地デジものは、買うのをできるだけ遅らせた者が勝ちかもしれない。といっても、買うのを我慢すれば、その間は美しいハイビジョン映像が楽しめないわけで、買う頃合いを見切るのがかなり難しい。
テレビに関しては、今年の冬のボーナス商戦と来年3月がひとつのポイントになる。いうまでもなく、エコポイント政策が来年3月に終了するからだ。その後、テレビの需要は一時的に落ち込み、来年末の冬のボーナス商戦とアナログ停波前の夏のボーナス商戦で再び盛り上がるということになると見るのが一般的。売る側が力を入れる時期というのは、店舗間で激しい価格競争をすることになるので、うまく立ち回ると、高品質のものが激安で手に入れられるチャンスがある。まだ、テレビを買い替えていない人は、冬のボーナス時期に品定めをして、3月までに購入。それを逃したら、来年の冬までは我慢するという手もありだろう。
そこで、使い方によって考えてみることにしよう。まず、一時的なテレビ録画を主にしている人は、録画機能をもっているテレビを購入してしまうのが良いだろう。現在、主な録画機能付きテレビは、東芝レグザ、日立Wooo、パナソニックビエラRシリーズの3種類。この中でもお薦めで、人気も高いのが、東芝レグザだ。USB接続で市販のHDDが接続でき、しかも8台まで接続できる。USBによるHDDは同時に1台しかできないが、差し替えて8台まで接続できる。これは著作権保護のための制限により接続するHDDを認証するためで、9台目を接続すると、過去に認証済みのHDDのいずれかを抹消するように要求される。認証を抹消したHDDに入っている映像はもう再生できなくなるという仕組みだ。また、LAN接続ならスイッチングハブ経由で8台を同時接続できる。市販HDDはどんどん値が下がり、大容量のものが登場しているので、使い方に合せてHDDを選べるのも嬉しい点だ。
日立WoooとパナソニックビエラRシリーズは内蔵HDDが基本。ただし、内蔵HDD方式の問題は500GBが現在の最大容量であるという点。地デジで約63時間、BSデジタル/CSで約45時間程度しか録画できないので、録画したらすぐに見て消すという人にはいいが、映画などの録画が多く、実際に見るのはずいぶん経ってからという人であれば、60時間ぐらいの容量ではすぐにいっぱいになってしまう。CSで録画した映画を10本残しておく程度で、容量の半分を使ってしまうわけで、その他、ドラマやスポーツ中継などを録画すると、すぐに不自由さを感じてしまうことになる。長時間録画モードで録画するのもひとつの方法で、各メーカーとも長時間録画の画質は非常によくなっているが、気になりだすとやはり画質の劣化を感じてしまう。ニュースやバラエティ番組、元々ソースがSD画質の番組などではいいとしても、映画やスポーツでは「せっかくフルハイビジョンテレビを買ったのに」という残念感を感じてしまうことは避けられない。日立WoooはiDVRという専用外付けHDDにも対応しており、メディアの価格も一般のHDDと比べて数割程度高いだけなので、不安な人はWoooを選ぶ手もある。
この録画機能つきテレビのいいところは、まるごとエコポイントが適用される点だ。レコーダーはエコポイント対象外だが、録画機能つきテレビはあくまでもテレビなので、一般的なテレビよりは価格は高くなるが、レコーダーを別に買うことを考えれば割安だし、まるごとエコポイントが適用されるので、さらにお得感がでてくる。もし、東芝レグザを購入するのであれば、この冬か来年3月までに決めてしまいたい。また、その他のHDD内蔵テレビを選ぶのであれば、やはり1TBモデルが登場するまで待ってみるのもありだ。1TBモデルなら不自由さは感じないだろうし、その時点で500GBモデルを購入すれば価格も割安となり、なおかつ長時間モードの画質もより改善されているだろうから、500GBモデルでもじゅうぶんいけるという判断も出てくるかもしれない。
このコラムでは、地デジにまつわるみなさまの疑問を解決していきます。深刻な疑問からくだらない疑問まで、ぜひお寄せください。(なお、いただいた疑問に個々にお答えすることはできませんので、ご了承ください)。