日本国内では、多くの人が共通ポイントを中心に買い物時にポイントを利用しています。Vポイント/Tポイント、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイントなど、世界でも珍しいほどのポイント国家が日本です。

さまざまな店舗で共通ポイントが貯めて使えるようになっていますが、それは国内だけの話。海外ではポイントを貯めることはできません……と思いきや、最近、Pontaが海外事業を強化していて、台湾やベトナム/ハワイで使えるようになっています。

こうしたPontaの海外展開について、Pontaの運営管理を行うロイヤリティマーケティングに話を聞きました。

  • 海外展開を進めるPonta

    日本だけでなく海外でもPontaが使えます

台湾/ベトナム/ハワイで使えるPonta

台湾には、HAPPY GO/OPEN POINT/UUPONという共通ポイントがあり、電子マネーとしてiPASS/EasyCardもあります。このうち、台湾最大級とされるOPEN POINTは2,000万以上の会員がいるそうです。台湾の人口が2,326万人(2022年)とされていますから、広がりとしてはかなりのもののようです。

Pontaは、このOPEN POINTと提携しています。OPEN POINTは台湾の統一グループによる共通ポイントで、同グループは台湾でセブン-イレブン事業を運営。日本でPontaがローソンと提携しているように、台湾でもコンビニ(セブン-イレブン)でPontaが利用できるようになっています。

  • 台湾のセブンイレブンで貯められるOPEN POINT

    台湾のセブン-イレブンでOPEN POINTを貯めて、Pontaポイントに変換できます(写真提供:ロイヤリティマーケティング)

日本でもコンビニでのポイント利用が多いため、同じようにコンビニで使えれば分かりやすいという判断から、台湾ではセブン-イレブンで使えるようにすることを目指したそうです。ちなみに、台湾では日本のポイ活と異なり、ポイントを貯めるのではなくすぐに使うという人が多いそうです。ほかに「会員向けに1個買うと1個無料」というようなキャンペーンが盛んに行われているといいます。

この取り組みでは、台湾からの訪日観光客向けにインバウンドクーポンも提供。日本の家電量販店では、免税に加えてポイント分の割引があり、免税対象外の飲料や食べ物でもポイントを貯められるので、そうした点でメリットがあるようです。

台湾では、前述の通りセブン-イレブンなどの店頭でPontaアプリを起動し、「海外Pontaカードを利用」→「台湾」→「OPEN POINT会員サービスを利用する方はこちら」を選択して進むと、OPEN POINTのバーコードが表示されます。台湾セブン-イレブンではさらにQRコードとバーコードを表示します。

つまり、Pontaユーザーであっても、台湾ではあくまでOPEN POINTを貯める形になります。OPEN POINTでの会員登録などの手間はないので、利用開始は簡単です。1ボタンでOPEN POINTの表示ができず、上記の手順をたどる必要があって手間ではありますが、使い方自体は難しくはありません。

そしてOPEN POINTをためた後は、OPEN POINT1ポイントにつきPontaポイント4ポイントに交換できるので、必要に応じて交換すれば、実質的に台湾でPontaポイントが貯められることになります。貯まったOPEN POINTは台湾でそのまま使えるので、現地で使い切ってもいいですし、余ったらPontaに変換すれば無駄はでません。

なお、台湾でOPEN POINTを貯められるのはセブン-イレブン以外にショッピングセンターのuni-ustyle台北店やドリームモール、飲食店ではスターバックス/ミスタードーナツなど。日本ほど多いわけではありませんが、セブンやスタバがあるのでそれなりの店舗数はありそうです。同社によれば、台湾セブン-イレブンでも、レジでのポイントカードの有無の声がけがあるそうです。

ベトナムには、Utop/VinMart/Co-opXtra/LOTTE Mart/Circle Kというスーパー・小売系のポイントサービスがあるようで、共通ポイントというよりはロイヤリティプログラムという感じでしょう。こちらはポイントを貯めるというよりも、割引を提供することが多いようです。

その中でも、ベトナムの大手FPT Softwareグループの子会社であるUtopは共通ポイントに近い位置づけとのこと。複数のデリバリーやオンラインサービスでの決済などでポイントが付与され、クーポンと交換して割引で購入できる、といった使い方なのだといいます。こちらもやはりポイントを貯めるポイ活という雰囲気ではないようです。

  • Utopアプリ

    Utopアプリ。「ポンタ」の表示があります

対応店舗数は約5,000店、ブランドは1,500程度とのことなので、チェーンだけでなく小規模店も多いようです。ベトナムではメーカーのキャンペーンが多いそうで、ポイント会員でなくても割引が受けられるのですが、会員だと割引率が高くなるといった例があるそうです。

PontaとUtopの協業では、アプリ内での連携はしていないため、Utopアプリをダウンロードする必要があります。仕組みはちょっと特殊で、Pontaが貯まるUtopアプリをインストールすることで、現地の利用2万ドンにつき1Pontaポイントが貯まる、という仕組みになっています。PontaポイントをUtopポイントに変換して、現地で利用することもできるそうです。

ベトナムでは、大手でいえばセブン-イレブンやロッテリアがあり、比較的飲食店が多いようです。

こうした現地ポイントとの提携に加えて、ハワイでは同社自身がサービスを提供しています。こちらは日本人向けに専用にリーダーを設置して、日本のPontaアプリでのポイント付与が可能になっています。1ドルあたり1ポイントが貯まり、1ポイント1セント相当(100ポイント1ドル相当)で利用することも可能になっています。

  • Pontaに対応するハワイの「EbiNomi」

    ハワイでガーリックシュリンプなどを提供する「EbiNomi」。店頭にPontaロゴが掲示されています

対応店舗では、飲食店やアクティビティに加えて、「ワイキキ緊急医療クリニック」があるのはちょっと面白いところです。現時点での店舗数は50店舗ほどだといいます。

同社では今後さらにアジアを中心に対応国の拡大を計画しているそうです。展開としては、ハワイのように直接同社が提供するのではなく、現地である程度認知度があって、サービス内容もそれなりに充実している企業と提携することを想定しているとのこと。

ポイントの相互利用は、日本人の海外旅行時だけでなく、訪日観光客向けにも威力を発揮します。むしろ、日本では使える店舗が広がっているため、訪日観光客に対してキャンペーンなどでの誘導に効果的に使える可能性があります。

アジア圏ではポイント文化の展開余地があり、今後もさらなる展開を検討していきたいということです。

共通ポイントは、クレジットカードの利用でも貯まるため、海外でも同じクレジットカードを使えば、同様にポイントを貯めることはできます。今回の場合、さらにポイントが二重取りできるようになることがメリットです。さらに、クーポンなどもあるので、ポイントと合わせて円安での海外滞在費の高騰を少しでも緩和できる、という考え方もできます。

海外でのポイント事情が日本ほど普及するのは難しいようにも思えますが、共通ポイントやポイ活まではいかなくてもロイヤリティプログラム的なポイントが広がるのか、今後の動向が気になるところです。