スマートフォンの「テザリング」、使ってますか? あれば便利に使うけれどせいぜい月に数回、毎月数百円とはいえもったいないからできれば解約したい、という人も多いのではないでしょうか。今回は、テザリングなしでMacのデータをインターネット経由で送る方法を紹介します。

2018年4月、一部キャリアが「テザリングの有料化」に踏み切りました。それ以前は期間限定の無料キャンペーンという位置付けでしたから、有料化はやむをえないにしても、そのとき毎月数百円を払う価値について考えた人は多いはず。使っても月に数回という利用頻度であれば、いっそのこと解約してしまえ、となるのも当然です。いまどきのカフェやレストランには、無料のWi-Fiアクセスポイントが設置されていますから、やり繰りできてしまうことは確かです。

しかし、出先で発見したWi-Fiアクセスポイントが快適に使えるかどうかはわかりません。会員登録が必要だったり、接続開始から60分までなど時間に制限があったり、我慢ならないほど通信が遅かったり、利用者にとって心地いいサービスかどうかはまた別の話です。公衆無線LANの場合、通信経路が暗号化されないなどセキュリティに難があることも多く、テザリングのほうが安全確実といえます。

  • 出先ではWi-FiがとMacからファイルを送信できません

  • 出先の通信手段はテザリングが安全確実ですが、一部キャリアは有料化に踏み切っています

「ハンドオフ」でできること

テザリングを使いたいけれど、利用頻度を思えば諦めるしかない……そう判断した人にお勧めしたい機能が「ハンドオフ」です。OSにYosemite以降を搭載するMacとiOS 8以降を搭載するiOSデバイスがあり、共通のApple IDでサインインしている場合、同一アプリ間でBluetoothを利用し"処理のバトンタッチ"を行うことがハンドオフの目的ですが、うまく使うとテザリングなしに(Macがインターネットに接続することなく)Macで作成した文書をiPhone経由で送信できるのです。

使いかたはかんたん。MacからiPhoneへ処理を引き継ぎたい場合は、Macで対象アプリ(表1)を表示した状態のまま、iPhoneでAppスイッチャー(画面下部を上方向へフリックすると現れるアプリ切り替え画面)の下に表示されたボタンをタップします。反対にiPhoneからMacへ処理を引き継ぐ場合は、iPhoneで対象アプリを表示したままMacのDock領域左端に現れるアイコンをクリックします。

たとえば、Macで書き始めたメールをiPhoneへハンドオフすれば、iPhoneにはモバイル回線があるので、Macがインターネットに接続できない状態でもメールを送信できます。インターネットにつながっていないためMacでは閲覧できないWEBページも、Safariに「インターネットに接続されていません」と表示された状態でiPhoneにハンドオフすれば、そのページをiPhoneのSafariで表示できます。

このしくみは、Bluetooth(Bluetooth LE)により実現されています。Bluetooth LEがつねにONの状態にあることで、MacとiPhoneが互いの存在を認識し、アプリの作業内容を転送できるのです。Bluetooth LEは低消費電力で、つねにONにしていてもバッテリーのもちにほとんど影響しないこともメリットです。

ただし、ハンドオフは大きなデータを扱うことが苦手です。添付ファイルがあるメールをハンドオフすることは可能ですが、ファイルサイズが大きいと失敗することがあります。Mac上にあるファイルをどこかへ送信したいときには、そのファイルをiPhoneへ「エアドロップ」したほうがスムーズに処理できます。

  • Macで対応アプリの画面を表示したままiPhoneのAppスイッチャーを起動すると、ハンドオフのボタンが現れます

  • iPhoneからMacへハンドオフすることも可能です

  • ハンドオフできない場合は、システム環境設定「一般」パネルのチェックボックスを確認します

ハンドオフ可能なアプリ(macOS Mojave/iOS 12)
Safari 開いているWEBサイトのアドレス(URL)
カレンダー 開いているイベント
マップ 開いている地図の位置(URL)
メモ 開いているメモ
メール 開いているメッセージ
リマインダー 開いているリマインダー
連絡先 開いている連絡先画面(電話アプリの連絡先画面)

ファイルの受け渡しは「エアドロップ」で

書きかけのメールや開けないWEBページは、iPhoneに「ハンドオフ」すれば作業を続けることができますが、ファイルを受け渡す機能はありません。ファイルをメールに添付したうえでハンドオフする方法もありますが、Bluetoothはデータ転送が遅いうえにハンドオフがうまくいかないこともしばしばです。

Macで作成したファイルをiPhoneに転送する場合は、「エアドロップ」を利用します。ハンドオフに必要な設定(同一のApple IDでサインイン/Bluetoothをオン)にくわえ、Wi-Fiをオンにすれば事前準備は完了です。もちろん、Mac/iPhoneともインターネットに接続する必要はありません。転送したいファイルをクイックルックし(ファイル上でスペースキーを押す)、現れたウインドウの右上にある[↑]ボタンをクリック、自分のiPhoneを選びエアドロップを実行しましょう。

実際にファイルの転送が始まる前、iPhoneの画面にはファイルを受け取り可能なアプリが一覧表示されます。自由に選択できますが、よくわからない場合は「ファイル」(iOSに標準装備のiCloudストレージを読み書きできるアプリ)を選択しましょう。iCloudに対応したアプリであれば開くことができるため、メールにファイルを添付するなどの処理は自由自在です。

  • 見開き構成のため1ページ余分にほしい場合は、空白のページを挿入します

  • エアドロップを実行すると、iPhone側でファイルを受け取り可能なアプリが一覧表示されます

  • 「ファイル」アプリで保管しているファイルは、メールに添付することが可能です