Mac OS X 10.5 Leopardで登場して以来、高い評価を集めている「クイックルック」。プラグインで対応ファイル種を増やせますが、macOSの仕様変更に伴いプラグイン周りのルールが変わってしまい、導入できなくなったものも……今回は、最新のmac OS Catalinaでサードパーティー製クイックルックプラグインを導入する方法を紹介します。
Catalinaでクイックルック機能拡張書類を手動追加する
クイックルックの機能は、システム上でつねに動作し続けているサーバプロセス(quicklookd)と、アプリ内部や独立した機能拡張書類(拡張子は「.qlgenerator」)として存在するプラグインが通信することによって成立します。なにやら説明が難しいと感じるかもしれませんが、スペースキーを押すとファイル種に応じた機能拡張書類が呼び出されること、その機能拡張書類は決まった場所に保存しなければならないこと、この2点は理解しておきましょう。
どのようなクイックルックの機能拡張書類がMac上に存在するかは、前述したサーバプロセスがMacを使いはじめるとき自動的に(Macにログインしたタイミングで)検出します。だから、自力でクイックルックの対応書類を増やすときには、入手した機能拡張書類を適切なフォルダへコピーし、その後ログアウトしてから再びログインし直すという手順を踏むことになります。
その適切なフォルダとは、「ホーム」→「ライブラリ」の「QuickLook」フォルダです。初期設定では「ライブラリ」フォルダ以下に「QuickLook」フォルダが存在しないため、初めてクイックルックの機能拡張書類を追加するときには、手動で作成しなければなりません。
作成後、このフォルダに機能拡張書類をコピーすれば準備はOK……とはならず、もうひとつ作業が必要です。Mac App Store以外からダウンロードした機能拡張書類は、実行許可を与えなければ動作しないため、初めて対応書類をクイックルックするときに現れるダイアログを「キャンセル」ボタンのクリックでやり過ごし、システム環境設定の「セキュリティとプライバシー」パネルにある「ダウンロードしたアプリケーションの実行許可」で「このまま許可」をクリックしましょう。
これで、ダウンロードした機能拡張書類がサポートする書類をクイックルックできるようになります。現在のmacOSはセキュリティを重視し、Mac App Storeを経由しないアプリ/機能拡張書類のインストールには厳しい姿勢で臨むためですが、この作業さえ乗り越えればクイックルックをもっと便利に使えるようになります。
Catalinaでもしっかり動くクイックルック機能拡張
拡張子「.qlgenerator」の書類をダウンロードしたあと、フォルダの作成と書類のコピー、さらに一度ログアウトしてからの実行許可付与という手間がかかるCatalinaでのクイックルック機能拡張ですが、クイックルックの操作性はまったく変わりませんから、利用価値はじゅうぶんあります。
ここに挙げる5つのクイックルック機能拡張は、前述した方法で手動インストールしなければなりませんが、Catalinaでもしっかり役立つものばかりです。ぜひ試してみましょう。
HetimaZip
この「HetimaZip」は、ZIP形式の圧縮書類をクイックルックするための機能拡張書類です。展開前にどのようなファイルが格納されているか調べる目的で、あるいはZIP書類作成後に内容を確認する目的で使用します。macOS標準の機能では、ZIP書類をクイックルックしてもアイコンが大きく表示されるだけですが、このように中身がわかればZIP書類の使いかたが変わりますよ。
QLStephen
拡張子を持たない書類をときどき見かけますが、中身はテキストだけというものが少なくありません。それでもテキストファイルとしての体裁がなければクイックルックの対象にはなりませんから、歯がゆい思いをすることに。しかし、この「QLStephen」を導入すれば、テキストファイル同様にクイックルックできるようになりますよ。
QLMarkdown
マークダウン記法で記述された文書をクイックルックするためのプラグインです。プログラムのソースコードを見る機会が多い人は、拡張子が「.md」のファイルを目にすることが多いはずですが、macOS標準の機能ではタグの解釈が行われないため、見出しや文字色が意図どおり表示されません。この「QLMarkdown」を導入すれば、問題はすぐに解決できます。
WebPQuickLook
Googleが開発したオープンな静止画フォーマット「WebP(ウェッピー)」をクイックルックするためのプラグインです。SafariはWebPに対応せず、プレビューでもサポートしていませんが、このプラグインを導入すれば対応アプリを入手しなくても画像を閲覧できます。