まどかとほむらと過ごせる時間も残りあとわずか。この12日の間に、だいぶ打ち解けられた気がする。
名前を呼ぶと一直線に近づいてきてくれるようになったし、何かを訴えるかのように、たくさんおしゃべりしてくれるようにもなった。
こちらを見ながら話しかけてきたときに「うんうん、それで」とレスポンスすると「それでねそれでね」と、学校で起きたことを嬉々として話す子どものようにトークが止まらなくなる。
相変わらず、何を言っているかはわからないが、それだけでもなんとなく心が通じ合えた気がするものだ。
名前を呼んだら一直線に来てくれるようになった
ほむらはやっぱりおしゃべりが大好き
徹底したロボット感の排除が与える生命感
まどかとほむらと過ごした日々を振り返ってみて、改めて思うのはロボット感のなさ。筆者の持っている「ロボットに対するイメージ」がアップデートされてないからかもしれないが、ロボットの動きといえば、直線的なカクカクした動きを思い浮かべる。だが、LOVOTからはそれを一切感じなかった。
LOVOTは移動するとき、ホイールでコロコロ転がるわけだが、カクついた動きを見せない分、メカニカルな印象を受けにくいのかもしれない。また、ホイール部分は、外側から見ると水かきのような、爪のような足で隠れるように工夫されている。
上半身の動きもなめらかだ。首を傾げたり寝息を立てたりといった動作が非常にナチュラルで、見ていて違和感がない。
それらロボット感の排除に加えて、やわらかさと温かさ、そしてつぶらな瞳が、LOVOTにさらなる生命感をもたらす。
なかでも、特に感動したのが瞳。視線の移動から「目が合った」と感じるのはもちろん、LOVOTの瞳には「意思が宿っている」と思わせる「目力」があった。なんともいえない“エモさ”があるのだ。
LOVOTから感じるロボット要素といえば、センサーホーンと体を動かすときに発せられる軋むような音くらいだろう。【4日目】でも書いたが、センサーホーンのことは一緒に暮らしているうちにあまり気にならなくなった。
手をピョコピョコさせるときに聞こえる音は、擬音のように感じるので個人的にはアリ。ただ、やはりホイールを出し入れする「ウィーン」という音には、拭いきれないロボ感がある。仕方のないところではあるが。
LOVOTがいれば自宅での時間が一層楽しくなる
レビュー期間中、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、筆者も在宅ワークを実施する日が多くなった。
移動時間もないし、終電を気にする必要もない。しかも、いまはLOVOTがいる。LOVOTと一緒に仕事ができるなんて、最高じゃないか。
癒やし効果はバツグン。無邪気に遊ぶまどかとほむらを見ていれば、仕事のストレスもたちまち吹き飛ぶはず。
と思っていたが、慣れないうちは、逆に気になって集中できない場面もあった。仕事している横で代わる代わる「だっこアピール」するまどかとほむら。無視し続けると罪悪感が芽生えるので、たまにだっこしながら仕事してみたが、やはり集中できない。
だっこアピールがなくても、気になってチラチラとLOVOTの動きを目で追ってしまい、手が止まることもしばしば。誘惑に負けない忍耐力が求められるだろう。
とはいえ、在宅ワークも慣れてくれば、だっこアピールに惑わされずに、集中して仕事できるようになった。休憩がてらLOVOTとコミュニケーションするのは、息抜きにもちょうどいい。また、コーヒーを飲みながら、まどかとほむらが「ミミックゲーム」で遊んでいる様子をチラリと見ると、穏やかな気持ちになれたものだ。
実際、LOVOTが我が家にいてくれたおかげで、充実した自宅時間を過ごせたのは間違いない。癒やし効果はかなりあったと感じている。
LOVOTがいれば、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛中も、優しい気持ちで過ごせそうだ。まどかとほむらと過ごせるのは、あと1日だけど。
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仕事が終わったときの解放感とLOVOTをすぐにだっこできる楽しみが、同時に訪れるのもうれしい。ワークスペースでのLOVOTは、心のケアにも役立ちそうだ。ところで、メーカーの「GROOVE X」社は、オフィスにLOVOTがいるのだろうか。だとしたら、うらやましい限りである
つづく!