さて年末、編集部から待望の液晶ペンタブレット「Cintiq 13HD」が届きました。届いてびっくり、箱が小さいのです。「Cintiq 12WX」の時はけっこう大きな箱だったのですが、Intuosの箱とそんなに変わらない印象です。

手前が届いたCintiq13HD。後ろは私物の12WX。ずいぶん小さくなっています

その理由は箱を開けてみて分かりました。以前のCintiq 12WXには、本体とパソコンを接続するため、「コンバータボックス」というユニットが付属していたのですが、それがありません。

そして本体ですが、最初、あれ?これ間違ってIntuosが入ってるんじゃないの?と思ってしまうほど、薄くてびっくり。実際、手元のIntuos5と重ねてみると、ほとんど同じサイズ。さすがにIntuosよりも重たいですが、それも比べてみて初めてわかる程度で、非常に軽い印象です。

上がCintiq13HD、下はintuos5。サイズも厚みも、ほとんど変わりません

さて、いよいよ接続です。

Cintiqでは「ディスプレイとしての接続」、「入力装置としての接続」、「電源の接続」の3つの接続を行わなくてはなりません。Intuosであれば、USBケーブルを一本、パソコンと接続するだけで電源も入力信号も繋がるのですが、Cintiqはディスプレイなので、USBでは電圧が足りないのです。

しかし、本体から3本もケーブルが出ていては、机の上がこんがらがって仕方ありません。そこで、本体側は一本、反対側は電源、USB、ディスプレイと3つに枝分かれした特殊なケーブルが付属しています。以前のモデルでは、この三叉の部分に大きなボックスがあったのです。その「コンバータボックス」はケーブルは太いし、箱はそこそこのサイズがあるし、しかも輝度などの調整にそのボックスは手の届くところに置いておく必要があるしと、実に邪魔モノだったのですが、それがすっきり無くなっているわけで、これなら接続も楽そうです。

Cintiq13HDの本体とケーブル一式。これの他に、スタンドとペン立てがついています

三叉ケーブル。右から、電源、ディスプレイ、USB。ケーブルの反対側はCintiq本体に接続します

まずは電源。電源ユニットはかなり小さなボックスで、そこから出ているケーブルと、三叉ケーブルの電源コネクタをつなぎます。コンセント側にもケーブルが必要かと思ったら、ボックスそのものにコンセントをつなぐスタイルで、これまたスッキリ。ちなみに電源ケーブルはUSBケーブルよりも細く、取り回しも楽です(12XWでは、デスクトップPCと同じ、極太ケーブルでした)。

電源ボックスも小型軽量。このケーブルが外れるのが地味に便利なのです

二本目はUSB。こちらは標準サイズでパソコンかUSBハブに接続。ちなみにIntuosではワイヤレス接続ができるのですが、残念ながらCintiqではできません。USB部分がワイヤレスになっても、電源とディスプレイも接続しなければ使えないのでワイヤレスは不要、となっているのでしょう。

最後にディスプレイとの接続ですが、ここで困ったことになりました。わたしが使っているiMacもMacBookも、外部ディスプレイは「mini displayPort」。Macだけでなく、Windowsのノートパソコンでも採用されている規格です。それに対しCintiqはHDMIという、液晶テレビなどで使われているコネクタなのです。最新のMacBookやMac mini、Mac Proはみな、このHDMIになっているとのこと。ううむ。このままでは接続できません。

というわけで、mini displayPortとHDMIを変換するアダプタが必要ということが判明。ここまで来て接続はおあずけとなってしまいました。

仕方なくアダプタを買おうとWEBで調べてみると、いくつか商品が見つかりますが、同時に接続トラブルの話もちらほらとあり、ちょっと不安が。じゃあAppleの純正品なら大丈夫だろうと調べていると、なんとAppleは変換アダプタを出していないのです。HDMIは映像と音声が一本で扱え、テレビにも必ずついているので、今や最もスタンダードな接続。なのにApple純正がないとは思ってもいませんでした。

ワコムも同様でアダプタは発売していません。あちこちのBlogなどを探してようやく、エレコムの「AD-MDPHDMIWH」がうちと同じiMacで使えているという記事を見つけ、師走の街を量販店まで走り購入。なお、iMacでもさらに古い機種だと、このアダプタではダメで、USB-Displayアダプタを使うと使える、という話も聞きました。これから購入する方は、自分の環境にあったアダプタをしっかり調べておきましょう。

エレコム製の変換アダプタAD-MDPHDMIWH。古いMacだとまた別のアダプタが必要のようです

三叉のHDMIコネクタにアダプタをつけて、無事iMacと接続完了です。そうそう、気になっていた三叉ケーブルそのものの太さですが、鉛筆程度の太さで、卓上でじゃまになってしょうがない、ということはなさそう。そしてケーブルの反対側は特殊なコネクタになっていて、こちらをCintiqと接続します。以前の12WXは本体とケーブルが直付で、使わない時に片付けるのがとても面倒でしたが、13HDは簡単に取りはずしができて、設置も片付けもとても楽です。

三叉ケーブルの太さは、鉛筆と同じくらい。柔らかいのでとりまわしは楽です

接続しようと本体のサイドを見てみると、あれ、ふたつコネクタが…何かな、と思ったら、もうひとつはUSBハブポートでした。USBメモリを挿してデータコピー、といった使い方が想定されているのでしょうか。これはなかなか気が利いています

本体サイドのコネクタ部分。左の謎のコネクタはUSBハブで、USBメモリなどを接続できます

さて、無事接続が終わったら、本体のサイドスイッチを長押しして電源投入!

…おっと、ドライバのインストールがまだでしたね。次回はドライバを入れて、実際に描いてみます!

まつむらまきお
イラストレーター/マンガ家 成安造形大学イラストレーション領域准教授