三井住友信託銀行は、「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」の結果を6月15日に発表した。調査は2026年1月に実施され、全国の18~69歳(ただし金融、調査、マスコミ、広告従事者を除く)の6,062名を対象に行われた。
はじめに、「住宅ローンに対する後悔の有無」について、住宅ローン返済中世帯のうち、35.2%が住宅ローンに対して「後悔あり」と回答した。
後悔の内容として最も多かったのは「借入金額を少なくすればよかった」(28.3%)。次いで「頭金の割合を多くすればよかった」(27.2%)が僅差で続いた。
いずれも、「借入金額が多すぎたこと」に起因するものであり、金利や返済期間に対する後悔と比べても強く表れていることが分かる。
この「借入金額が多すぎたことへの後悔」は、返済比率の上昇とともに段階的に強っている。さらに、住宅ローンに対する後悔全体の水準を見ると、返済比率2割では38.5%にとどまるのに対し、3割では46.4%へと大きく上昇。返済比率の上昇は、「借りすぎた」後悔を高めるだけではなく、その他の後悔も含めて全体の後悔を押し上げている可能性がある。
ローン返済の負担感についても、返済比率2割と3割の間で変化がみられる。返済に対して、「かなり負担を感じる」と回答した割合は、返済比率2割では6.8%であるのに対し、3割では13.9%と倍増。また「負担に感じる」も22.4%から28.9%へと増加しており、返済比率2割と3割の間に、負担感が増す“境界線”が存在していると考えられる。
さらに、資産形成に対する家計行動にも同様の境界線がみられる。
住宅ローン返済と資産形成の両立に対する考え方をみると、返済比率2割では「住宅ローンの返済と資産形成に同時に取り組む両立派」が40.8%であるのに対し、3割になると28.1%と減少している。一方で、「返済を優先しているため、資産形成は難しい返済優先派」は、32.8%から42.6%とおよそ10ポイント増加している。
つまり、返済比率2割では両立派が優勢だが、3割では返済優先が上回り、両者の関係が逆転していることがわかった。
以上より、これまで「返済比率は、2~3割以内」とひとくくりにされてきたが、実際には2割と3割の間には大きな差があり、「後悔の増加」「負担感の増幅」「資産形成との両立の困難さ」といった観点では、3割に達すると家計の分岐点を超えた水準である可能性が示唆される。
教育費や老後資金の準備まで見据えると、「無理なく返せる金額」を基準に借入額を考えることの重要性が、改めて浮き彫りになった調査結果といえそうだ。





