イーロン・マスク氏は先日、日本での電気自動車(EV)の拡大に向け、今後も投資を続けていくと「X」に投稿した。そんな状況の中、テスラが新たに日本市場に投入した「モデルYL」とは、どんなクルマなのか。ミニバンのライバルになるかも?
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「数日前、イーロン・マスク氏がX(旧Twitter)で、スーパーチャージャーなど日本のサービス拠点を中心に投資をして、しっかりとサポートしていくことを明言してくれました」と笑顔で語るのは、テスラジャパンの橋本理智社長だ。新型「モデルYL」のメディア発表会の冒頭での一コマである。
さらに、「今までイーロンは、なかなか日本のことについてポストしたり投稿したりすることはなかったのですが、今回のことで、日本のビジネスの拡大を見据えて、可能性を信じて投資をする決断をしてくれたのは事実。非常に強力なバックアップになります」と続けた。
そんな中で日本上陸を果たした「モデルYL」とは、いったいどんなクルマなのだろうか。
電気自動車で3列シート
「モデルYL」のボディサイズは全長4,980mm、全幅1,920mm、全高1,670mm、ホイールベースは3,040mm。なかなかのサイズだ。テスラのミドルサイズSUV「モデルY」の運転しやすさ、実用性、安全性はそのままに、利用シーンを拡大したモデルだという。
「L」はロングの意味。モデルYに比べて全長は180mm、ホイールベースは150mm伸びている。
このボディに3列6人乗りのシートを配することで、三世代家族の移動や旅行など、より多くのニーズに対応する。ミニバンの利便性をも超える可能性を秘めている、というのがテスラジャパンの説明だ。
エクステリアは最新テスラの顔である一文字ライトに再設計したルーフラインの組み合わせ。空気抵抗係数(Cd値)は脅威の0.216を実現している。新デザインのシャープなリアスポイラーによって強力なダウンフォースを獲得し、高速安定性を向上させるとともに、風切音は11%、ロードノイズは4%削減できたそうだ。
インテリアは全シートを専用設計とし、2列目のキャプテンシートにはシートヒーターやベンチレーションに加え、ユニークな自動昇降式アームレストを装備する。その2座のシート間を通ってアクセスする3列目は大人でもゆったりと座れるサイズで、エアコン吹き出し口、ドリンクホルダー、USBポート、シートヒーター、若干のリクライニング機能まで搭載している。ただ、足元フロアは少し高い。
ディスプレイは前席16インチ、後席8インチのタッチスクリーンを搭載。シンプルなダッシュボード下部には最大50W(2台目は30W)の空冷式ワイヤレス充電機を設置した。オーディオは18スピーカー&1サブウーファーへと数を増やしたことで、より臨場感が感じられるサウンドシステムになっている。
フランク(フロントのトランク)容量は117L。ボタンで2列目、3列目のシートを倒すと、リアラゲッジの容量は最大2,539Lまで拡大できる。
一充電あたりの航続可能距離は788km。デュアルモーター駆動によるAWDにより、0-100km/h加速は5.0秒と瞬足だ。
CEV補助金127万円、燃料代3年間無料
モデルYLの価格は749万円。ホイールは19インチ限定で、選べるのはボディカラーくらいだ。
他のメーカーではオプションになるような機能は全て標準搭載していて、それらを選ぶ楽しさはないかもしれないが、逆に、どれを選ぼうかという心的ストレスがなく、買いたい時が買い時になるという。
CEV補助金は国から127万円、東京都だとさらに40万円、住環境次第では80万円の補助が受けられる。補助金の金額は最大で200万円近くになる。
4月1日からは、スーパーチャージャーを使用する場合、電気代が3年間無料になるキャンペーンがスタート(6月30日までの納車完了車両を対象)。こちら、「エイプリルフールではありません」との注釈付きだった。燃料代が高騰する現状を考えると、タイムリーかつ強力な訴求ポイントになりそうだ。
橋本社長はライバルが増えてきた現在のEV市場について、「EVという中で考えると、後から出てきたラグジュアリーモデルなどに競合優位性はあるとは思っています。一方、フルセルフドライビング、完全自動運転のサポートや、今まで蓄積してきた安全運転のソフトウェアなど、AIの乗り物として考えた場合には、(テスラが)技術的に他を圧倒していると思っています」と話す。
日本のEV普及状況については「これまで1年半から2年くらいは停滞していましたが、今やっと一歩進み始めたという状況で、これは、周りのアジア各国でも同じ」との認識を示した。今後の普及率拡大に向けては、販売拠点を最低60まで増やし、さらにサービス拠点を30まで増やしたいとした。
































