アメリカ・サンフランシスコで3月9日から開催中の「GDC 2026(Game Developer Conference 2026)」にあわせて、次世代Xboxに言及したMicrosoft、次世代Xboxに導入予定の製品開発に協力するAMD、ゲーム性能を強化した新プロセッサ発表のIntelに加え、ダイナミックフレーム生成機能のリリース日を公開したNVIDIAまで各社の発表が相次いでいます。

そこでこの記事ではGDC 2026で発表された主要なトピックについてまとめつつ、ついに日の目を見つつある次世代グラフィック技術について紹介しようと思います。レンダリングの根本から刷新するいくつかの機能が、パストレーシングのような今はまだ高負荷で難しいゲーム体験をより身近にしていくのかもしれません。

  • メガジオメトリ・パストレーシング・Zstd圧縮からXboxモードまで、次世代ゲーム向け技術の導入が迫りつつある

    メガジオメトリ・パストレーシング・Zstd圧縮からXboxモードまで、次世代ゲーム向け技術の導入が迫りつつある

PCゲームもできる「Xbox Helix」

コンソール部門としては、Microsoftが次世代Xboxを「Project Helix」として発表しました。Xbox向けゲームタイトルだけでなくPC向けゲームも遊べるようになると説明し、ハイブリッドな製品を目指すとされています。AMDの次期カスタムプロセッサを搭載、さらに次世代「FSR」を導入して高い性能とこれまでにないグラフィック品質を実現すると明らかに。AMDゲーミング部門の重役は、このFSRが「FSR Diamond」であると名称についても言及しました。

また、Xboxやハンドヘルド型ゲーミングPCで用いられている「Xboxモード」を一般的なWindows PCに向けてリリースするとのこと。画面いっぱいにわかりやすいGUIが表示されてゲームへのアクセスがしやすくなるというもので、これまではフルスクリーンエクスペリエンス(Full Screen Experience:FSE)と呼称されてInsider Previewユーザーに提供されてきました。実はUIの刷新だけでなく、バックグラウンドプロセスの削減などで性能を極限まで引き出す機能も備えています。

  • ヘリックスとは螺旋のこと。コンソールとPCが混ざり合うようなイメージなのかも

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Xbox HelixやFSR Diamondに関する海外報道には憶測も交えたものも散見され、次期Xboxが搭載するカスタムシリコンにはRDNA 5の導入がみられるかもしれないとのこと。FSR DiamondがRadiance CachingやRay Generationのような機能を統合しつつ、さらにニューラルレンダリングや、機械学習ベースのアップスケーリング、マルチフレーム生成のような機能も揃えられれば、AMD RDNA 5世代のグラフィックス製品でNVIDIA DLSSシリーズに機能面で競合できるようになるかもしれません。

Eコア増量だけじゃない「Intel Arrow Lake Reflesh」

Intelは消費者向けプロセッサの新シリーズとして、「Core Ultra 200S Plus」シリーズの投入を発表しました(関連記事)。詳細は初報のニュース記事に譲りますが、リフレッシュにしてはかなり性能を高めた点がポイント。内部バス帯域の強化やダイ間インターコネクトの動作周波数向上によって、CPUのアーキテクチャを変更せずに大幅なゲーミング性能向上を実現したとのこと。Intel DTTドライバの必要性などで普及しなかったIntel APOに代わり、よりかんたんに利用できる「Intel Binary Optimization Tool」を投入してソフトウェア面でも強化します。

  • ゲーミング性能で後塵を拝していたArrowLake。猛追なるか

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  • 自社製品比、リフレッシュでここまでの性能向上は珍しい

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  • Ryzen 9700X比では圧倒。Ryzen 7 9850X3D比も気になります

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次世代グラフィックス技術がいよいよ実用化段階へ

NVIDIAはCES2026に発表していたダイナミックフレーム生成機能を3月31日に公開すると述べたのみで、特に新情報は見られませんでした。最大6倍のフレーム生成というワードが目を引きがちですが、目標フレームレートにあわせたインテリジェントな生成量の調整が行えるようになるのがポイント。240Hzモニターなのに500fps以上出てもしょうがないぞというユーザービリティにスポットが当てられており、GeForce RTX 50が内蔵するフリップメータリングが協調して破綻のない映像出力を実現します。粗削りになりがちな先進機能の実装がとても細やか。

  • 3月31日にベータ版NVIDIA Appで公開。日本時間では4月1日になるでしょうか

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注目すべきは、NVIDIAが提唱してきた次世代グラフィックス機能が「DirectX 12 Agility SDK 1.619」の公開によってついに日の目を見つつあることでしょう。これはゲーム内に含めることでOS側のアップデートを必要としない描画APIの更新で、なんといってもShader Model 6.9への移行が最大のトピックです。

このShader Model 6.9はGeForce RTX 50ユーザーにとって、Shader Execution ReorderingやCooperative Vectors、RTX Mega Geometry、Opacity Micromaps、Displaced Micro-Meshなど先進グラフィックス機能が満載されています。このうち、NVIDIAはCD Projekt REDが開発を進める『The Witcher 4』の技術デモの中で、RTX Mega Geometry機能を披露しました。

Advances in Path Tracing: New NVIDIA RTX Mega Geometry Foliage System

RTX Mega Geometryは、ざっくり説明するとMesh ShadingやWork Graphsを活用して極めて莫大なポリゴンの描画を高速化する技術で、距離に応じた描画の詳細さ(LOD、Level of Detail)をシームレスに高められる点が特徴。さらにSERを組み合わせることで、パストレーシングの描画負荷を大幅に低減できます。Microsoftは同SDKの公開時にRTX 4090を用いたデモを行い、最大40%もフレームレートが引き上げられたと報告しています(関連記事)。

Meta開発のオープンな新形式「Zstd」採用のDirectStorage 1.4

グラフィック技術とは直接関係ありませんが、今後DirectStorage 1.4への移行が行われていくことで圧縮形式に「Zstd」が普及していくことになりそう。これまでNVIDIAが開発した圧縮形式「GDeflate」が用いられていましたが、Meta開発のZstdはより圧縮率に優れるうえ、NVIDIA以外のGPUにも高い互換性があります。DirectStorage 1.4にZstdを採用したことをうけて、MicrosoftはGACL(Game Asset Conditioning Library)を公開。互換性と圧縮効率の強化、解凍負荷の低減も行いました(外部サイト)。

次世代技術で支えられるゲーム体験

ここまでGDC 2026の発表について触れてきた本記事。レイトレから超解像機能、DirectStorageも初出時は未来だなあと感じられたものですが、今では当たり前にさまざまなタイトルで実用化されるようになりました。ちなみに上述したメガジオメトリは、すでに『Alan Wake 2』が採用して正式にリリースされています。もちろんメッシュシェーダーなので、次世代グラフィックス技術を手元の環境で手軽に試すことができます。

ただこの記事で触れた次世代グラフィックス技術は、単一構成で互換性を気にしなくていいXboxとは異なり、NVIDIAとAMD、Intel製グラフィックスで対応できる機能セットに差があります。NVIDIA GeForce RTX 50シリーズはハードウェアで完全にサポートして対応するドライバの公開を待つのみですが、Radeon RX 9000シリーズはIntel Arc Bシリーズにも後れを取っており、Xboxへの導入が見込まれる次世代グラフィクスでのキャッチアップに期待したいところです。

  • SERへの対応はSM 6.9で必須。標準化されれば今後のゲームタイトルで大きな性能差として響いてくるかもしれません

    SERへの対応はSM 6.9で必須。標準化されれば今後のゲームタイトルで大きな性能差として響いてくるかもしれません

おまけに復習もかねて、Google Gemeni 3に各社グラフィックス支援技術の内容と互換性について表を作ってもらいました。各社で機能セットの命名規則とサポートするデバイスの互換性に違いがあるので行と列が揃っていませんが、大体わかりやすいです。Intel XeSSは互換性を高めつつIntel ArcシリーズではXMXユニットを用いており、性能と品質を高められるのが特徴でしょうか。なおFSR Diamondに関しては憶測が含まれています。

  • ついこの間出た新機能のような気がしますが、なかなかバージョンが進んできたんだなと

    ついこの間出た新機能のような気がしますが、なかなかバージョンが進んできたんだなと