Appleは2月16日、「Apple Podcast」に統合型のビデオポッドキャスト機能を導入すると発表した。音声とビデオを柔軟に切り替えられるほか、HTTP Live Streaming(HLS)を基盤とし、ネットワーク状況に応じて画質を自動調整することで、安定した再生体験を実現する。提供は今春を予定しており、同日公開されたiOS 26.4、iPadOS 26.4、visionOS 26.4のベータ版にはHLS機能が追加された。
RSSフィードで配信される伝統的なポッドキャストでは「音声用フィード」と「ビデオ用フィード」を分けて運用されることが多く、Apple Podcastsでも音声とビデオは実質的に別フィードとして扱われてきた。
近年、YouTubeがポッドキャストに進出し、「The Joe Rogan Experience」や「Call Her Daddy」といった動画を組み合わせたトーク番組の成功を背景に、ビデオポッドキャストの存在感が高まっている。これを受け、各ポッドキャストプラットフォームでは音声とビデオを統合的に扱う仕組みの整備が進みつつある。
Apple Podcastsでも、音声とビデオを一体的に管理・配信するワークフローが導入される。対応番組では、同一エピソード内で音声とビデオをシームレスに切り替えられるようになる。また、スマートフォンの横向き表示によるフルスクリーン再生、オフライン再生用のダウンロード機能も利用可能となる。
HLSはAppleが開発したストリーミング技術である。動画データを数秒単位のセグメントに分割し、インデックスファイルを通じて配信する仕組みを採用する。アダプティブビットレート配信に対応しており、視聴環境の回線状況に応じて画質やビットレートを自動的に切り替えるため、再生の途切れを抑制できる。今回の採用により、Wi-Fiやモバイル回線など通信環境の変化に応じた安定再生が可能になる。
収益化の面では、クリエイターがコンテンツの管理権限を維持したまま、新たなマネタイズ手法を活用できる仕組みを整える。HLSビデオでは、番組内でのホストリード広告を含むビデオ広告の動的挿入に対応する。開始時点では、Acast、ART19、Triton DigitalのOmny Studio、SiriusXM傘下の関連サービスなど、主要なホスティング事業者が新形式をサポートする。
Appleは、RSSおよびHLSビデオの配信についてはクリエイターやホスティング事業者から手数料を徴収しない方針を維持する。一方で、年内より、HLSビデオにおける動的広告配信を行う広告ネットワークに対して、インプレッション数に基づく手数料を課す予定である。

