Intelは、テック見本市CES 2026開幕を翌日に控えた米国ラスベガスで1月5日(現地時間)、Panther Lakeの開発コード名で知られていたコンシューマ向け次期主力プロセッサを、「Intel Core Ultra Series 3」として製品発表した。同社の半導体製造プロセス「Intel 18A」を採用する初めての製品となる。これを搭載するPCはパートナー各社が今月中に販売を開始し、早いものでは1月6日から先行予約がはじまるという。

  • IntelのLip-Bu Tan(リップ ブー・タン) CEO。Intelは半導体技術のリーダーシップを取り戻せるのか、Intel 18Aの成否は会社を根元から揺るがす。それだけに、「約束が守れてうれしく思う」とも述べていた

    IntelのLip-Bu Tan(リップ ブー・タン) CEO。Intelは半導体技術のリーダーシップを取り戻せるのか、Intel 18Aの成否は会社を根元から揺るがす。それだけに、「約束が守れてうれしく思う」とも述べていた

発表の冒頭では、同社CEOのLip-Bu Tan(リップ ブー・タン)氏が登壇。製造技術の優位性と、AI時代を先取りするチップであることを強調し、「私たちは最初のIntel 18A製品を出荷するという約束を果たすことができた。Core Ultra Series 3は、シリコンからパッケージングまで、すべてが綿密に統合することでのみ実現可能な、Intelでしか実現できない画期的な製品だ。AIドリブンの未来を見据えた新しいクラスのコンピューティングを実現している。今回の発表はPCの革新を表すものになるだろう」と述べた。

  • Panther LakeことIntel Core Ultra Series 3のチップ

    Panther LakeことIntel Core Ultra Series 3のチップ

Intel Core製品の主な責任者である同社上席副社長 兼 クライアント・コンピューティング事業本部 本部長のJim Johnson(ジム・ジョンソン)氏は続けて、経済安全保障の観点から、Core Ultra Series 3と、その製造技術であるIntel 18Aが、米国の半導体製造技術の大きなマイルストーンになったことも強調した。台湾など米国外ではなく、米国内の米国企業の工場に、世界最先端の半導体の量産が戻ったことになるからだ。

  • Jim Johnson(ジム・ジョンソン)氏はCore Ultra Series 3の性能を説明するだけでなく、米国内で米国企業が製造する最先端半導体であることも強調していた

    Jim Johnson(ジム・ジョンソン)氏はCore Ultra Series 3の性能を説明するだけでなく、米国内で米国企業が製造する最先端半導体であることも強調していた

  • Core Ultra Series 3の性能面の特徴。27時間のバッテリ駆動時間、グラフィック性能は77%向上、CPU性能は60%向上、AI性能は2倍に

    Core Ultra Series 3の性能面の特徴。27時間のバッテリ駆動時間、グラフィック性能は77%向上、CPU性能は60%向上、AI性能は2倍に

Core Ultra Series 3は性能が60%アップし、バッテリ駆動時間は27時間

Intel 18Aの特徴は、2nm以下クラスの半導体回路の微細化技術と、トランジスタ構造の新技術であるRibbonFET技術、電源供給トランジスタの新技術であるPowerVia技術であり、特にRibbonFETとPowerViaは他社が追い付いていない「ビッグマイルストーン」(ジム・ジョンソン氏)だと紹介された。これによりCore Ultra Series 3のチップはワットパフォーマンスが劇的に改善しており、最大で60%の性能向上があり、さらにノートPCのバッテリ駆動時間は27時間にまで伸ばすことが可能だという。

  • 特にRibbonFETとPowerViaは「ビッグマイルストーン」だという

    特にRibbonFETとPowerViaは「ビッグマイルストーン」だという

  • 従来製品で電力効率に優れたCore Ultra 200Vとの比較でも、ワットパフォーマンスが最大で60%アップする

    従来製品で電力効率に優れたCore Ultra 200Vとの比較でも、ワットパフォーマンスが最大で60%アップする

  • Core Ultra Series 3は「バッテリーライフキング」だといい、最大で27時間モバイルできるノートPCも可能とのこと

    Core Ultra Series 3は「バッテリーライフキング」だといい、最大で27時間モバイルできるノートPCも可能とのこと

またCore Ultra Series 3は設計刷新と、同社が「Foveros」と呼ぶ先進のチップパッケージング技術により、互換性を保ちながらも用途に合わせた柔軟なモデルバリエーションを実現できるようにしている。CPUやGPU、I/Oも半導体のダイはそれぞれ独立した半導体タイルとして製造され、組み合わせて製品化する仕組みとした。例えばCPUダイは最大で16コアだが、CPUタイルだけを(同じチップなのに電気的に無効化するのではなく、物理的に)4コアに組み替えることも可能だ。

  • 半導体タイルの組み合わせが柔軟であるため、多彩なモデルバリエーションが可能に

  • チップバリエーションの柔軟性を活かし、Core Ultra Series 3では、AIロボティクスなどフィジカルAI向けに「for Edge」も打ち出していた。開発向けにはリファレンスボードもIntelが提供する

    チップバリエーションの柔軟性を活かし、Core Ultra Series 3では、AIロボティクスなどフィジカルAI向けに「for Edge」も打ち出していた。開発向けにはリファレンスボードもIntelが提供する

ほか、内蔵するGPUはこれまでのXe2世代から最大12コアのXe3世代へと強化し、外部GPUを用いなくてもより高度な3Dゲームが遊べるようになり、AI処理性能も最大で53%アップしているという。あわせてAIプロセッサも最大50TOPSの新規NPUを搭載。I/O部分も20レーンのPCI Express、Wi-Fi 7などリッチな実装となっている。

  • Core Ultra Series 3の上位モデルで搭載するXe3(Battlemage)世代の統合型GPU「Intel Arc B390」の主なスペック

    Core Ultra Series 3の上位モデルで搭載するXe3(Battlemage)世代の統合型GPU「Intel Arc B390」の主なスペック

  • ゲームで77%、AIは53%の性能向上

    ゲームで77%、AIは53%の性能向上

  • グラフはゲームタイトルごとの性能を、AMDのRyzen AI 9 HX 370と比較している。バーの色が赤はAMDで青はIntel

    グラフはゲームタイトルごとの性能を、AMDのRyzen AI 9 HX 370と比較している。バーの色が赤はAMDで青はIntel

  • Battlemage世代なので、XeSSの最新バージョンである「XeSS 3」にも対応。フレームレートを最大4倍に向上させるという

    Battlemage世代なので、XeSSの最新バージョンである「XeSS 3」にも対応。フレームレートを最大4倍に向上させるという

  • 省電力かつ性能が出るということで、携帯ゲーム機型のPCも期待できる

    省電力かつ性能が出るということで、携帯ゲーム機型のPCも期待できる

  • AI性能のスコアはチップ全体で180TOPS。うち新NPUの「NPU5」が50TOPS、GPUが120TOPS

    AI性能のスコアはチップ全体で180TOPS。うち新NPUの「NPU5」が50TOPS、GPUが120TOPS

Core Ultra Series 3のモデルラインナップは多岐にわたり、コンシューマ向けのものでは主に通常のCore Ultraと、ゲーミング向けにGPUタイルが大規模なCore Ultra Xがある。それぞれ、「Intel Core Ultra X9 388H」や「Intel Core Ultra 7 365」といった具合に、従来同様の5/7/9のグレードと、Series 3にちなんだ300番台のモデルナンバーで性能を表している。現時点で公開されているラインナップの一覧は以下の表のとおり。

  • Core Ultra Series 3のモデルラインナップ、9と7の一覧表

    Core Ultra Series 3のモデルラインナップ、9と7の一覧表

  • Core Ultra Series 3のモデルラインナップ、5の一覧表

    Core Ultra Series 3のモデルラインナップ、5の一覧表

  • 発表会場にはCore Ultra Series 3を搭載するパートナー各社のモバイルノートPCが多数並べられており、実際にゲームプレイなどで性能を体験することができた。ローカルAI処理のデモンストレーションや、AIロボティクスの出展も目立っていた

    発表会場にはCore Ultra Series 3を搭載するパートナー各社のモバイルノートPCが多数並べられており、実際にゲームプレイなどで性能を体験することができた。ローカルAI処理のデモンストレーションや、AIロボティクスの出展も目立っていた

  • 当然ミニPCも

  • 発売間近なので問題があるはずもないが、一応、Windowsからの認識

  • Core Ultra Series 3でシールも新しくなった

  • 高いゲームパフォーマンスも体感できた

    高いゲームパフォーマンスも体感できた

  • Core Ultra Series 3の「for Edge」のリファレンスボードで開発していたロボット。カメラで人間を認識して話しかけてきたり、手を振るなどボディランゲージでのコミュニケーションも行っていた