電子機器の分解レポートで知られる修理コミュニティの米iFixitが、モバイルアプリ「iFixit」(iOS、Android)をリリースした。12万5000件以上の修理ガイドへのアクセスに加え、有料サービスでは「FixBot」と呼ばれるAIアシスタントが、故障の原因特定から部品選定、修理作業手順まで対話形式でサポートする。
iFixitは約20年をかけて、アパレルから家電、カメラ、自動車・トラックなどをカバーする世界最大の修理ナレッジベースを構築してきた。マニュアルやガイド、フォーラム投稿、記事などを無作為に集めたものではなく、コミュニティによって検証され、実際に機能する解決策を厳選したライブラリとなっている。
iFixitアプリでは、自分のデバイスを「マイデバイス」として登録すれば、その製品の修理ガイド、工具やパーツ、フォーラムで人気の質問などがリスト表示される。
しかし、製品で絞り込んでも、修理マニュアルやサービスマニュアルは数十ページに及ぶことが多い。そこで活躍するのがFixBotだ。同アシスタントは、iFixitの修理ナレッジベースを土台に構築された修理に特化したAIである。
利用者は「スマホが30%で急に電源オフになる」「洗濯機から水が抜けない」といった症状を音声またはテキストで伝える。FixBotは追加の質問を重ねて問題の原因を絞り込み、「どの部品を交換すべきか」「どの手順で分解すべきか」を、熟練技術者のように論理立てて提示するという。
FixBotは、会話だけでなく画像や文書も手がかりにする。例えば、デバイスの「モデル番号」をカメラで撮影すると、FixBotが機種を特定し、該当モデルのマニュアルやパーツ情報から必要な情報を探し出す。故障状態を言葉で表現しにくい場合は、その部分を撮影してアップロードすると、画像認識を用いて故障の原因を推定する。
修理作業中は両手がふさがっている場面が多い。FixBotはその点を考慮し、音声で質問に答えられるよう設計されている。ユーザーは手を止めずに「次はどこを外せばよいか」「この部品が見当たらない」といった質問を投げかけることが可能だ。
リリースキャンペーンとして、iFixitは現在、期間限定で有料サービスのすべての機能を無料提供している。有料版の料金は現時点では未発表となっている。




