全国の社長が最も多く住む街は、2025年も「港区赤坂」だった。東京商工リサーチ(TSR)が実施した最新調査によると、赤坂の社長数は4,596人で、13年連続で全国1位を記録。人口に占める社長の割合は16.5%に達し、住民の6人に1人が"社長"という圧倒的な密度を誇る。
東京23区に社長が集中、港区は6エリアがトップ10入り
調査は、TSRの企業データベース約440万社から、社長(個人企業を含む)の居住地を抽出・集計したもの。
上位10位を東京23区が占め、港区では「赤坂」「六本木」「南青山」「芝浦」「南麻布」「高輪」など、富裕層や外資系企業関係者が集まる地域が軒並みランクインした。
特に、再開発が進む「中央区勝どき」は3,060人で初のトップ10入り。銀座・築地に隣接する立地と、タワーマンション群による居住環境の進化が評価された。
渋谷区では「代々木」「広尾」「恵比寿」などが上位を維持し、利便性とブランド性の両立が支持されている。
都心集中の一方、郊外都市も台頭
都心集中が続く一方で、東京近郊の郊外都市も台頭している。
市区郡別の社長数のランキングでは、埼玉県「川口市」(2万2,095人)、千葉県「船橋市」(1万5,542人)、「市川市」「松戸市」など、都内にアクセスしやすいエリアが全国30位以内に入った。
東京圏以外でも、兵庫県「西宮市」、大阪府「東大阪市」、静岡県「浜松市中央区」、愛媛県「松山市」など、地方中核都市の存在感が高まっている。
専門家が見る"社長の住む街"のいま
株式会社すむたす 代表取締役の角高広氏は、今回の結果を次のように分析する。
「今回の調査では、港区赤坂が13年連続トップとなり、港区の住民の6人に1人が社長という都心集中の傾向が鮮明です。特に、中央区勝どきが初のトップ10入りを果たし、湾岸エリアの利便性と資産価値が高まっていることが注目されます。また、埼玉の川口市や千葉の船橋市など、東京に近い郊外都市も上位にランクインしており、社長の居住地選びに『職住近接』と『生活環境』を両立させる二極化が進んでいることが読み取れます。」
角氏が指摘するように、港区を中心とした都心の高級住宅街は依然として人気が高いが、働く場所と暮らす場所を近づける"新しい経営者層"のライフスタイルが広がりを見せている。
背景にある「本社機能移転」と都心再開発
東京商工リサーチによると、2025年5月に実施した「本社機能移転状況」では、東京都から他県への転出が転入を上回った。地価高騰やリモートワーク普及の影響で、企業がオフィスを地方や郊外へ移す動きが進んでいる。
それでもなお、社長の居住地は都心集中を維持しており、「生活の快適さ」と「ビジネスの近接性」を両立させる居住地選びが鍵になっている。



