米Microsoftの2026年度第1四半期(2025年7〜9月)決算は、AIおよびクラウドの旺盛な需要に牽引され、売上高・利益ともに市場予想を上回った 。しかし、決算発表後の時間外取引で同社の株価は下落した。

7〜9月期の売上高は、前年同期比18%増の776億7000万ドル。OpenAI関連の投資損失を除いた調整後(非GAAP)の純利益は同22%増の308億3300万ドルだった。1株当たり利益(EPS)は4.13ドルとなり、アナリストの予想平均(売上高753億3000万ドル、EPS 3.67ドル)を上回った。

決算が好調だったにもかかわらず株価が下落した背景には、急増する設備投資(CapEx)への懸念がある。7〜9月期の設備投資額は、従来の見通し(約300億ドル)を大幅に上回る349億ドルに増加した。決算説明会でエイミー・フッドCFO(最高財務責任者)は、GPUやCPUなどへの投資が拡大し、2026年度の設備投資成長率が2025年度を上回る見通しを示した。これは従来の「減速に向かう」としていた見解を修正するもので、AI需要の強さを示す一方で、予測を上回るインフラ構築コストの増大が投資家の懸念を招いた。

以下は事業部門別の売上高。

More Personal Computing

Windows、デバイス、ゲーミング(Xbox)、検索広告などを含む部門の売上高は、前年同期比4%増の137億6000万ドルだった。

「Windows OEM(PCメーカー向けのライセンス)およびデバイス」の売上は同18%増だった。Windows 10のサポート終了を前にWindows 11への移行需要が高まり、PC市場全体の出荷が増加したことが背景にある。

「ゲーミング」は、「Xboxコンテンツおよびサービス」が同1%増、「Xboxハードウェア」は同29%減だった。

「検索およびニュース広告」は、 トラフィック獲得コストを除いた売上高が同16%増と、二桁成長を維持した。

Productivity and Business Processes

Office製品やビジネス向けSNSのLinkedInを含む部門の売上高は、前年同期比17%増の330億2000万ドルであった。

法人向けのMicrosoft 365 Commercialのクラウドサービスの売上は同17%増(シート数が6%増加)、Microsoft 365 Commercial製品も同17%増だった。

個人向けMicrosoft 365 Commercialのクラウドサービスの売り上げは同26%増、契約数は7%増加した。

LinkedInの売上高は同10%増だった。

Intelligent Cloud

売上高は前年同期比28%増の309億ドルで、アナリスト予想の302億5000万ドルを上回った。「Azureおよびその他クラウドサービス」は同40%増という高い伸びを示し、サーバー製品およびクラウドサービス全体でも堅調な成長を維持した。