Googleは10月8日、ユーザーがオンライン小売業者などの商品を発見し、購入できるショッピングサービス「Google ショッピング」などにて、「バーチャルでお試し」(Try On)機能を日本やカナダ、オーストラリア向けに提供開始しました。今後数週間をかけローンチしていく予定です。

欲しい服を着た写真を作れる「バーチャルでお試し」が日本上陸

Google ショッピングやGoogle 画像検索などに追加された「バーチャルでお試し」機能は、ユーザーが自分の全身写真をアップロードすると、Google ショッピングなどで販売されている衣服を試着したイメージ写真を生成できるサービス。2025年のGoogle I/Oで発表された機能で、2025年夏から米国でのみ提供されていました。

Googleで検索したアパレル商品の結果をタップして、試着したい商品の画像上に表示されている「試してみる」アイコンを選択。そして自分の体形がわかりやすい全身写真をアップロードすると、その商品を実際に着用したかのような高精度なバーチャル写真が生成されます。試着結果は保存や共有も可能です。

  • 「バーチャルでお試し」機能の利用イメージ 画像:Google Japan Blogより

アップロードする自分の写真には、適切にバーチャル試着するためのいくつかの要件があります。

  • ユーザー自身、あるいは使用許可を得た写真
  • 頭からつま先まで全身を写す
  • 他の人が写っていない
  • 両手をポケットから出す
  • 立った状態で撮る(座った状態はNG)
  • 照明が明るく、背景が乱雑でない場所
  • 体にフィットした服を着ている
  • 子どもの写真は使用不可

服の微妙なニュアンスまで再現。ただしサイズは考慮されない

Googleの説明によると、Google ショッピングでは1日に10億回以上の買い物が行われているといいます。サービスの鍵はバックエンドで動くデータセット「Shopping Graph」。ここにレビューや価格、色のオプション、在庫状況といった店側からの詳細がまとめられており、毎時20億件以上の情報が更新されています。

「バーチャルでお試し」では人体や衣服のニュアンスなどを大量に学習したAIモデルを使用し、高度な3D形状を理解する技術により、衣服の形や奥行を認識。ユーザーの写真に衣服を合わせるとどうなるか、Shopping Graphのデータを基に衣服の伸縮性やひだ、折り目といった微妙なニュアンスまで、被写体のポーズに合わせて適切に生成します。

  • 「バーチャルでお試し」が表示されているところ(画像は米国版) 画像:Google Japan Blogより

    「バーチャルでお試し」が表示されているところ(画像は米国版) 画像:Google Japan Blogより

この機能でGoogleは「パーソナライズされた真のショッピング体験」を提供するとしました。お店側での作業は不要で手数料も必要ありません。

なお注意点が1つ。現実の試着ではサイズ感も重要な要素になりますが、「バーチャルでお試し」では衣服のサイズは考慮されません。お店側はサイズの詳細データを出す必要はなく、「どう見えるか」だけをバーチャルで再現するものとなります。

現在「バーチャルでお試し」が利用できるのはシャツ、パンツ、スカート、ドレスなどの衣料品。靴、ランジェリー、水着、アクセサリーでは利用できませんが、このうち靴はこの秋に適用を予定しているとのことです。