2017年発売のiPhone X以降、大半のモデルに採用されているOLEDディスプレイは、画素の1つ1つが独立して発光します。完全な黒を表示する場合は画素を消灯してしまうため、白より黒のほうが、明るい色より暗い色のほうが電力を消費しません。
iOSに用意されている「ダークモード」は、このOLEDの特性に着目した省エネ機能の一種です。周囲が暗いときのディスプレイは、煌々と輝いているより暗めの色調のほうが見やすい/目が疲れにくいという事情もありますが、黒の部分が多いほうが電力消費量は抑えられ、結果としてバッテリーのもちがよくなります。
ということは、OLEDディスプレイを搭載したiPhoneは、他の条件が同一の場合はダークモードよりライトモードのほうが電力消費量は増えます。周囲の明るさに負けないよう白を基調としたライトモードは、おもに昼間用ですから、iPhoneは夜より昼間のほうが消費電力が増える傾向にあることは確かでしょう。
明るい色より暗い色のほうが電力を消費しないというOLEDディスプレイの特長は、アプリの特性にも反映されます。たとえば、Safariなどのブラウザアプリは多くのWEBページが背景に白を使うため、ダークモードの省エネメリットを受けにくくなっています。ダークモードに対応しないアプリ、つねに背景が白のアプリも同様に、省エネ効果は大きくないといえるでしょう。
ちなみに、iPhoneで従来採用されてきた液晶ディスプレイは、つねに光源(バックライト)が点灯しています。液晶層にあるフィルターを通過する光の組み合わせと明るさの変化によって描画するため、どのような色を表示しても消費電力はほとんど変わりません。つまり、白でも黒でも消費電力はほぼ同じですから、OLEDディスプレイのようなダークモードの省エネ効果はありません。
