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家じまいが進むと、東京でも土地が高く売れない? 路線価上昇も、安心していられない理由

JUL. 01, 2025 11:50
Text : 須藤光輝
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「賢く」「損をしない」ための家じまい戦略

買取価格を左右する要素とは

不動産の買取価格を決める要素は大きく3つです。

  • 市場の動向(需要と供給)
  • 土地の価格(立地、形状、権利関係、など)
  • 物件の状態(老朽化の度合い、リフォームの必要性など)

そこで最初に現在までの市場動向と、関連する状況を中心に今後の動向を推測したいと思います。

不動産に関連する市場動向とは

(1)「持ち家率」と「空き家予備軍」からみる今後の市場動向
昨今では空き家が社会問題として注目されていますが、相続において注目したい指標はもう一つあります。それは「空き家予備軍」です。

空き家予備軍とは、65歳以上の高齢者のみが居住している住宅を指し、首都圏では潜在的な社会問題となりつつあります。総務省が昨年発表した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、東京都の空き家率は全国平均(13.8%)より低い10.9%、特別区で10.9%ですが、「空き家予備軍」かつ戸建てに絞って試算すると東京都では50.9%と全国平均(50.95%)を下回るものの、特別区で52.3%と逆転します。さらに数でみると、47都道府県の1位東京都、2位埼玉県、3位神奈川県、4位大阪府、5位愛知県と大都市が上位に名を連ね、都心部こそ「家じまい」「実家じまい」が加速度的に増えていくことが推測できます。

つまり、不動産市場に中古の家もしくは土地が大量に出てくるということになります。

(2)「平均寿命」と「健康寿命」からみる家じまいの重要性と早期化
先ほど紹介した「家じまいに関する調査」で家じまい経験者に対して聞いた「家じまいを実施した住居に住んでいた(売却当時の)親の年齢」も大きな指標です。

  • 「家の売却を検討し始めたきっかけ(検討者のみ)」

これを見ると売却検討タイミングに2つの波が存在していることがわかります。一度目は80歳のタイミング、2度目が85歳・86歳のタイミングです。2019(令和元)年の平均寿命は男性81.09年、女性87.14年であり、健康寿命は、男性72.57年、女性75.45年それぞれ約10年以上の差があり、その期間は日常生活に制限がある期間であり、入院や介護が必要となると考えられます(※厚生労働省2024年発表)。つまり、この2つの山は、親がご存命中に施設に入る、一緒に暮らすなどの理由による売却と、お亡くなりになり相続したあとのタイミング後と推測できます。

実際、お客様や筆者の周りを見ても、体調の変化や介護施設への入居をきっかけにした家じまいに踏み切る人が増える傾向にあります。つまり、大相続時代に先駆けて、健康寿命をきっかけとした家じまい・実家じまいによる家の売却が進むことが予想できます。

(3)「住宅ストック築年数」と「2025年4月の建築基準法改正」
令和5年の「住宅・土地統計調査」から住宅ストック築年数の割合を算出すると、築年数が35年以上の物件が1/3以上を占めます。(全国40.5%、東京都30.5%、特別区では30.6%)。当然ですが、相続対象となるような戸建ては築古が多くなります。

例えば築35年の場合、現在の耐震基準法による耐震診断を受けた際に、耐震基準に適合しない可能性(既存不適格建築物)があります。実は、2025年4月に改正された建築基準法により、建物の耐震性能や省エネ性能の向上が求められ、リフォームの際にも新しい基準に適合する必要があるうえ、大規模なリフォームにも建築確認の取得が義務付けられるようになりました。そうなるとリフォームコストが高くなるため、持ち家のまま収益物件化するよりも売却したほうが得になる可能性も出てきます。これも家じまい(売却)という選択を後押しする一因になりそうです。

――売却価格は今後どうなる?


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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