Windows PC向けの「Xbox」アプリに、複数のゲームストアのライブラリを一つに集約する統合ライブラリ「Aggregated Gaming Library」が導入される。米Microsoftは6月23日(現地時間)、Xbox Insiderプログラムを通じたプレビュー提供を発表した。正式な展開としては、2025年のホリデーシーズンに携帯ゲーミングPC「ROG Xbox Ally」および「ROG Xbox Ally X」で利用可能になる予定である。
この新機能により、長年多くのPCゲーマーを悩ませてきた「ゲームライブラリの分断」問題が、OS標準機能として解消に向かう可能性が期待されている。PCゲームには、Steam、Epic Games Store、EA App、Activision BlizzardのBattle.netなど、複数のゲーミングプラットフォームが存在する。さまざまなゲームを購入し、利用するゲーミングプラットフォームが増えると、所有するゲームが複数のライブラリに散在し、複数のアプリ間を行き来しなければならなくなる。ゲームへのアクセスや管理が煩雑になる課題が長年指摘されてきた。
今回テストが開始された統合ライブラリでは、ユーザーが対応する他社ストアからゲームをPCにインストールすると、そのゲームが自動的にXbox PCアプリ内の「マイライブラリ」と、サイドバーの「最新」リストに表示されるようになる。これにより、ユーザーはXboxアプリを起動するだけで、Game PassのタイトルやMicrosoft Storeで購入したゲームとともに、他のストアのゲームにも素早くアクセスし、起動できるようになる。
プレビュー版の発表では、統合ライブラリに対応するストアとしてBattle.netが挙げられている。さらに、Game Passとの連携により、EAとRiot GamesのゲームタイトルもXboxアプリ内での管理が可能となっている。
統合ライブラリは、Microsoftが「Xbox」というブランドを単なるゲーム機ではなく、サービスプラットフォームへと進化させる長期的戦略の一環であると位置づけられる。今後、Steam、Epic Games Store、GOG.comといったプラットフォームの対応が期待される。特にSteamはPCゲーム市場において大きなシェアを持つため、対応が実現すれば、Xboxアプリの価値は大きく高まることになる。Microsoftは「これはほんの始まりにすぎない。今後も順次、対応するPCゲームストアを拡充していく予定である」と対応ストア拡大に意欲を見せている。