歴代のiPhoneは、発売時点で最新に近い仕様のBluetoothに対応しています。だから接続にBluetoothを使うデバイスであればiPhoneで使えるはず...その着想は概ね正しいものの、残念ながら流通しているすべてのBluetooth機器をiPhoneで使えるわけではありません。
その代表格が「パソコンやiPhone以外のスマートフォン」です。Bluetoothにはファイル転送用の規格(FTPプロファイル)が存在するため、Bluetooth 2以降に対応する機器であればペアリングのうえでファイルの送受信が可能になりますが、iOSに収録されているBluetoothのプログラム(CoreBluetooth)ではFTPプロファイルをサポートしません。そのため、iPhoneをパソコンやAndroidスマートフォンとペアリングしてもファイルの送受信には使えません。
Bluetooth対応のプリンターも、iPhoneでは使えないことがあります。Bluetoothの規格にはプリンタ接続用のBPPプロファイルが存在しますが、iPhoneではサポートされていません。AppleはiPhoneなどApple製品用に「AirPrint」というプリンター接続規格を整備しており、そこでは通信にBluetoothを使用しますが、印刷システムは別物で互換性はありません。
キーボードやマウス、トラックボールといったBluetoothのHIDプロファイルに対応するインプットデバイスは、その多くがiPhoneで利用できますが、デバイスが持つすべての機能を利用できるとは限りません。ボタンを押しても反応がない、ジャイロセンサーが動かないといった場合は、そのBlutoothデバイスがiPhoneをサポートしているかどうか確認しましょう。