インターネットイニシアティブ(IIJ)は6月2日、企業の人材に関する実態調査アンケートの結果として「情シス・DX部門の人材不足に関する調査」を公表した。企業の人材不足の実情と課題が明らかとなり、特にDX部門や情報システム部門で深刻な状況が浮き彫りとなった。

  • 人員不足についての質問

    約8割が人材不足を実感。特にIT関連部門が深刻

調査では、回答者の約8割が人材不足を実感しており、特にDX部門や情報システム部門でその傾向が強いことが明らかになった。一方で、「採用したい人材が来ない」「応募はあっても求める基準に届かない」といった、企業側と応募者側のミスマッチも明らかになった。

人材補充の手段としては「キャリア・中途採用」が約半数を占める一方で、「現在の採用経路である程度補充できると感じる」と答えたのは全体の3割に満たなかった。一般事務職やマーケティング職に次いで、DX部門、情報システム部門が補充の難しさを感じている企業が多い。

  • 人員補充経路/方針についての質問

    現在の採用経路では人材確保が困難

人材補充ができない理由として「採用に対する応募が少ない」との回答が約6割あり、その要因としては「企業ブランド力が低い」「給与条件が悪い」が上位となった。企業側は「専門知識を有する人材」「イノベーション創出・推進ができる人材」が特に不足していると感じているが、応募者のスキルや経験が企業の求める条件に満たないという回答も4割以上に上った。

  • 人員を補充できない理由の質問

    採用難の原因は、企業ブランド力や給与条件の悪さ

  • 足りていない人材についての質問

    所属部門に「足りていないと感じる人材」

また、情シス・DX部門の人材不足について、経営陣や関連他部門の認識が低いことも指摘された。全社で連携して取り組んでいく必要がある人材獲得にあたって、経営陣や関連他部門とのコミュニケーション促進や、情シス・DX部門の人材課題を分かりやすく伝えていく余地があるとしている。

  • 人材不足感の他部門からの認識についての質問

    情シス・DX部門の人材不足について経営陣・関連他部門の認識が低い

IIJは、今回の調査結果を踏まえ、企業がIT人材を確保・育成するための取り組みを支援していく方針を示している。詳細な調査レポートは、同社の特設サイトで閲覧可能。なお、この調査は2025年4月9日から16日にかけて、企業や事業所に所属する正社員(経営者・役員を除く)を対象に実施されたもので、有効回答数は1,378件。