ECS(Elitegroup Computer Systems)といえば、近年では超小型PC「LIVA」のメーカーとして知られているが、宇宙分野にも進出している。昨年のCOMPUTEXでは、初めてキューブサット用のオンボードコンピュータ(OBC)を出展。今年はさらに、電源基板と通信基板も加え、1Uサイズ(10cm角)のキューブサットを組み立てられるキットも登場していた。
同社のOBC「EliteSpace OBC」は、キューブサット全体を制御するメインコンピュータとなるものだ。台湾の国立成功大学(NCKU:National Cheng Kung University)が開発した6Uキューブサット「Lilium-3」に搭載されており、今年10月に打ち上げられる予定だという。ECSのOBCが実際に宇宙に行くのは、これが初めてだ。
そして、今回新たに公開されたのが、キューブサットのキット「EliteCubeSat Kits」である。キューブサットは安く早く開発できるため、宇宙分野の人材育成にも適している。このキットはフライト用ではないものの、台湾の宇宙機関であるTASA(台湾国家宇宙センター)でも、トレーニングで使われる予定だという。
ここまで来たら実際に宇宙に飛ばす衛星も作れそうだと思い、ブース説明員に聞いたところ、「2年後にはECS独自の衛星を打ち上げたい」とのこと。来年のCOMPUTEXでは、ぜひECS衛星のモックアップあたりを出してくれることを期待したい。