• Pixelシリーズの普及モデル「Google Pixel 9a」。4月16日の発売を前に、一足早く触ってみた

Google Pixelシリーズの普及モデル「Google Pixel 9a」が、4月16日に発売されます。ここ2世代ほどは、10月にPixel、Pixel Pro、翌5月にaのつく普及モデルという発売サイクルでしたが、今世代はPixel 9、Pixel 9 Proが昨年(2024年)8月~9月にかけて、Pixel 9aが4月と、少し前倒しでの発売となりました。

大手キャリアではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクで取り扱いがあり、Google ストアでの価格は79,900円~。物価高の影響か、前モデルPixel 8aの72,600円より7,300円高い設定ですが、たとえばau Online Shopでは、MNPで「スマホトクするプログラム」適用の場合、キャンペーンと合わせて実質負担額が1,200円という設定です。

Google ストアでも4月27日までの購入で、15,000円分のストアクレジットがもらえるキャンペーンに加え、対象デバイスの下取り額も実施します。例えばPixel 6aやiPhone SE 第2世代を最大25,100円で下取るなど、割引施策が目白押し。これまでのaシリーズと同様に、手に取りやすい価格での販売となっています。

ではその実力はどうなのか。一足早く製品をお借りして、試してみました。

  • Google Pixelシリーズでも、特に人気の高い普及モデルの最新版「Google Pixel 9a」(写真のカラーはPeony)

  • OSにはもちろん、最新のAndroid 15を搭載する

上位機種と共通のTensor G4チップ搭載、AI機能もほぼ同じ

Google Pixelシリーズでは、スマホの頭脳ともいうべきSoCにすべて同じものが使われています。

今回のPixel 9aにも、上位モデルのPixel 9、Pixel 9 Proと同じ、最新のGoogle Tensor G4が搭載されています。実際にGemini、かこって検索、編集マジックなど、Pixelシリーズの特徴とも言えるAI機能は、ほとんど同じものが利用できます。

では何が違うのかといえば、これまでは主にカメラや防水性能が異なるポイントで、今回も防塵・防水性能がIP68となったほか、カメラもマクロフォーカスに対応するなど、強化されています。

一方で搭載メモリーは8GBで据え置き。この点が12GBのPixel 9、16GBのPixel 9 Proとの差分となっています。なお、ストレージは128GBのほか、256GBも選べます。

側面、背面、カメラ周りがフラットになった新デザイン

デザインは上位モデルと同様に、前世代までの全体に丸みを帯びた形状から、背面、側面がフラットな形状に一新されました。

前世代まではカメラ周りのデザインも上位モデルと共通でしたが、今回のPixel 9aではこの点がこれまでとは少し異なっています。Pixel 9、Pixel 9 Proのカメラは大きく出っ張っていますが、Pixel 9aにはカメラの出っ張りがほとんどありません。おかげで背面はかなりすっきりしています。

  • 中央がPixel 9aで、左がPixel 9、右がPixel 8a

  • カメラの出っ張りがほとんどない、すっきりした背面。艶消しのマットな塗装がされている

  • カラー展開は4色。左からObsidian、Porcelain、Peony、Iris

ディスプレイには約6.3インチ(1,080×2,424)の有機EL(pOLED)となる「Actuaディスプレイ」を採用。Pixel 9と同じ画面サイズですが、ボディは高さ154.7×幅73.3×厚さ8.9mm、重さ185.9gと、ほんの少し大きくなっています。

一方でバッテリーは、Pixel 9が4,700mAhなのに対して、Pixel 9aは5,100mAh。前モデルPixel 8aの4,492mAhからも大幅に増えていて、30時間以上のバッテリー駆動が可能となっています。

実際に使用していても2日間は持ちそうな印象。ワイヤレス充電もサポートするほか、ACアダプターは別売ですが、最大23Wでの急速充電にも対応しています。

  • 左がPixel 9、右がPixel 9a。ディスプレイサイズは同じだが、ベゼル幅に違いがある

このほかリフレッシュレートは60-120Hzをサポート。上位モデル同様に明るさも向上していて、最大輝度1,800ニト、ピーク輝度2,700ニトとなっています。太陽光がまぶしいこれからの季節に、うれしいアップデートと言えるでしょう。

また夏に向けてうれしいもうひとつのアップデートが、前述の防水性能。aシリーズはずっとIP67止まりだったのですが、今回はIP68準拠となっています。

  • 明るさが向上して、太陽光下でも見やすくなっている

【作例】マクロフォーカス新搭載、「一緒に写る」などカメラ機能を強化

カメラは約4,800万画素の広角カメラと、約1,300万画素の超広角カメラのデュアル。インカメラは約1,300万画素です。ちなみに前モデルPixel 8aは、メインカメラが約6,400万画素で、センサーサイズは1/1.73インチでした。

Pixel 9aはメインカメラが約4,800万画素、センサーサイズ1/2インチなので、数字だけを見るとスペックダウンなのですが、F値は1.89から1.7となり、より明るく撮れる仕様になっています。

引き続き、光学式&電子式手振れ補正も搭載されていて、デジタルズームは最大8倍。夜景モードでは、きれいでノイズの少ない夜景撮影が楽しめるほか、天体撮影もできます。

  • 超広角

  • 広角1倍

  • 広角2倍

  • 超解像8倍ズーム

  • 広角カメラで料理を撮影

  • ポートレートモードでの撮影

  • ナイトモードでの夜景撮影

  • 超広角での夜景撮影

前モデルからの大きなアップデートとして、aシリーズのカメラでは初めてマクロフォーカスが可能になりました。4cmくらいまで近づいて接写ができるので、花や植物、料理の撮影なども楽しいです。

  • マクロフォーカスに対応。花などにぐっと寄った撮影が可能になった

  • Pixel 8aでは同じように近づいて撮ろうとしても、ピントが合わなかった

またPixel 9、Pixel 9 Proで試してみて、意外に使える機能として筆者のお気に入りだった「一緒に写る」が、今回Pixel 9aにも搭載されました。ガイドに従って撮影者を交代して2枚の写真を撮り、それを合成することで一緒に写れるというもの。グループでの写真撮影が、盛り上がること間違いなしです。

  • 「一緒に写る」では、1枚目を撮影後、ガイドにあわせて2枚目を撮影する。1人2役のおもしろい写真撮影も可能

さらに編集機能では、CMでおなじみの消しゴムマジックや編集マジック、写っていない部分をAIが生成して画角を広げられる「オートフレーム」などが利用可能。大勢で写るときに誰かが目を瞑ってしまっても、複数枚の写真からそれぞれベストな表情を合成してくれる「ベストテイク」も便利な機能です。

  • 背景を生成して拡張してくれる編集マジックの「オートフレーム」も利用できる

SIMスロットは底面に移動。価格差を考えるとお買い得

AI関連ではほかにも、電源ボタンの長押しで起動するGeminiと音声で会話できる「Gemini Live」や、画像やステッカーを生成できる新アプリ「Pixel Studio」、リアルタイム文字起こしが可能なレコーダー、かこって検索など、上位モデルとほぼ同じ機能が利用できます。

また、生体認証は顔認証と指紋認証をサポート。セキュリティ機能も上位モデルと同等で、もちろんeSIMやFeliCaにも対応。これまでと同様に、7年間のOSアップデートおよびセキュリティパッチの配信が保証されています。

  • 電源ボタンや音量キーは右サイドに。上下にはステレオスピーカーも搭載

  • nanoSIMがセットできるSIMスロットは、底面右側に配置されている

  • 画像Googleストアでは各色にあわせた、純正の専用ケース4,900円も発売

  • 右側面/下面/左側面/上面

今、Pixel 9のGoogleストアでの価格は128,900円なので、Pixel 9aとの価格差は49,000円。メモリー容量やカメラなどに違いがあるとはいえ、価格差を考えるとPixel 9aがかなりお買い得であることは間違いありません。

これはaシリーズが出るたびに思うことなのですが、今回は特に「一緒に写る」を含む、PixelシリーズならではのAI体験がほぼ同じという点で、お買い得感が増したように思います。

AIだけでなく、IP68やマクロフォーカスへの対応、カメラの出っ張りがないデザインなど、より万人におすすめしやすいスマートフォンになったという印象。それでいてIrisやPeonyなど、ほかにはない個性的なカラーも選択できるなど、満足度の高い一台になっています。