親が子供の成長や自立を見届け、親としての役割を段階的に手放していくことを「卒育」と呼びます。単純に子育てを終えるというだけでなく、親も自分の人生を再構築しなければならないということを含んだ言葉です。そしてこの「卒育」がうまくいかない状態が、孤独感や虚無感、無力感を強く感じる「子育てロス」(空の巣症候群)という状態です。
子育てロスを回避するためには、自身の趣味を見つける、地域などで新たな人間関係を築くといったさまざまな対策が知られていますが、ペットの世話をするというのも孤独感を緩和するのに有効と言われています。とはいえ、犬や猫のようなペットを実際に飼うというのは負担も大きいことですし、住環境によってはペットを飼うことが禁じられていることもあります。
そんな人たちにカシオ計算機が提案するのが、AIペットロボット「Moflin」との触れ合い。3月という卒育を迎える人が多いタイミングで、子育てロス回避のためのパートナーとして「Moflin」を訴求するイベントが開催されました。
子供の巣立ち後をイメージした新宿マルイでの展示
今回のイベントでは2つのコンテンツが展開されました。そのうちのひとつが、新宿マルイ本館での展示「子育てロスのお母さん・音尾さんにMoflinが会いに来た」です。ここでは、「卒業後の子供部屋」をイメージした展示のなかで「Moflin」と触れ合うことができる空間になっていました。
会場には、子育てを卒業した40代~70代の女性を対象として実施した、「子育てロス」についてのアンケートの結果も掲示されていました。それによれば、回答者の6割強が子育てロスを感じており、約8割の人が子育てロスの解消のために「何かを育てたい」と考えているそうです。
筆者が会場を訪れたのは、イベント2日目にあたる土曜日の昼でした。来場者は必ずしも卒育世代に限らず、通りがかった人々が「Moflin」を目にして立ち止まるといった感じ。中には、遠方から東京にくるついでにこのイベントめあてで新宿に足を運んだというMoflinファンの方もいらっしゃいました。前日の金曜日には外国人の来場者も少なくなかったそうです。
代々木公園に「祝“卒育” お散歩カー」が出現!
もうひとつのコンテンツが、「Moflin」の回遊イベント。新宿マルイ本館と代々木公園の間を、Moflinを乗せた「祝“卒育” お散歩カー」が回遊するというものでした。
筆者が取材したタイミングではお散歩カーは代々木公園におり、公園を訪れた人たちが「Moflin」をのぞき込んだり恐る恐る抱え上げたりしていました。
こちらでも、「Moflin」に興味を持つのは卒育年代だけではない様子。お散歩カーを停めていたのが早咲きの桜のそばだったこともあり、桜の写真を撮りにきた人が「Moflin」とも記念撮影をする姿が見られました。
イベント当日、回遊の様子は「Moflin」の公式Xアカウントに投稿され、それを追いかけることができるようになっていました。同アカウントではイベント後に全体を振り返る動画が投稿されており、その様子をうかがえるようになっています。
#Moflin イベントれぽ🌟
— 【公式】Moflin(モフリン)|感情が育つAIペット (@casio_moflin) March 31, 2025
3/14~3/17日、新宿マルイ本館でPOP UP開催#モフリン がお散歩カーで新宿をお散歩しました♪
会えた方いますか?✨
たくさんのご来場、
キャンペーンご応募ありがとうございました。#CASIO #カシオモフリン #モフリンDAYS #AIペット #モフリン園 #祝卒育byMoflin #祝卒育 pic.twitter.com/9dAfSyE3m2
この日会場で話を聞いたカシオ計算機の担当者によれば、Moflinのユーザーとしていちばん多いのは20代~30代の女性だそうですが、40代以上の子育て世代・卒育世代の女性はそれに次ぐ大きさだといいます。
育児を終えた親たちのメンタルの問題は以前からあったはずですが、社会の変化もあり、「卒育」「子育てロス」という言葉とともにこの問題への注目が集まるようになりました。その一方で、AIペットロボットという新しい技術の成果を古くからある問題の対策として活用しようという動きが出てくるのが面白いところ。現代の社会ではさまざまな理由からメンタルの問題を抱える人が少なくありませんが、そのストレスの緩和に「Moflin」のようなAIペットロボットは大きな役割を果たすことになるのかもしれません。