キヤノンがCP+開幕直前に発表したレンズ一体型デジカメの新製品「PowerShot V1」が、CP+2025で大きな注目を集めていました。開幕初日からPowerShot V1のタッチ&トライコーナーには長い列ができており、今年のヒットモデルになることは間違いなさそうです。
キヤノンブースでは、大きなバスケットボールのコートをブースの中心に据え、激しく動き回る選手をミラーレスカメラのフラッグシップモデル「EOS R1」で激写する撮影体験を実施していました。
EOS R1以上に撮影希望者が殺到していたのが、PowerShot V1のタッチ&トライでした。あまり慣れないような手つきでPowerShot V1を試す女性の姿もあり、ふだんカメラを触っていないスマホ世代の若年層にも興味を持たれている様子がうかがえました。
ブースの担当者によると、PowerShot V1の予約は好調で、納期に時間がかかる可能性があるとすでにキヤノンのWebサイトで告知しています。実売価格は15万円に迫るほどですが、最近のスマートフォンは10万円前後が当たり前になり、高性能モデルは20万円近くまで高騰。フルサイズミラーレスはさらに高価です。それに比べれば、大きなセンサーとズームレンズを備えた本格的なカメラが15万円で買えるなら高くない、と考える人が興味を持っているようです。レンズ一体型デジカメの人気が復活しているなか、PowerShot V1はそのトレンドにうまく乗った製品といえます。
ミラーレスカメラのフラッグシップモデル「EOS R1」の登場を受け、ブースの一角には“1”の名を冠したレンズ交換式カメラを初代「F-1」からズラリ展示。当時話題になった交換レンズを装着した展示に、「この組み合わせは憧れたよな」と話す来場者の姿も。担当者によると、これらのカメラはキヤノン本社の倉庫から蔵出ししたもので、F-1シリーズやEOS-1シリーズをここまでまとめて展示したのは初めてではないか、といいます。
ブースの一角では、キヤノンが力を入れている3D関連の展示も実施。デュアルピクセルCMOSを搭載したEOS Rシリーズを利用して、ワンシャッターで擬似的な3D画像を生成する技術を体験できるコーナーも設けられ、来場者の興味を引いていました。