手ごろな価格のフィルムカメラやユニークな写りの得られるレンズ、そしてフィルムなどをリリースするlomography(ロモグラフィー)。CP+では、毎回写真愛好家の目を楽しませてくれます。今回のCP+でも、ブース内を独特のグラフィックで飾り付け、ひと目で同社のブースであることが分かる個性的なものでした。

  • ロモらしい独特でオシャレな雰囲気のlomographyのブース。床一面に写真が貼ってありました。女性の来場者が多いのもこのブースの特徴です

  • ガラスレンズを採用した「Lomo Instant Wide Glass」。マルチコートも光学系に施されており、これまで以上にシャープな写りが得られると言います。使用するフィルムはinstax WIDEフィルム。すでに発売されており、同社通販サイトでの価格は32,880円となります

  • 「Lomomatic 110」の真鍮バージョン「Lomomatic 110 Camera & Flash Bellagio」。真鍮ならではの手にずしりとくる重さと質感のワンテンカメラです。このカメラもガラスレンズを使用しており、シャープな写りが楽しめます。同社通販サイトでの価格は27,880円です

そのようなブースで私たちの目を引いたのが、35mmフィルムの現像タンク「Lomo Daylight Developing Tank 35mm」です。

  • フィルムの現像タンクキット「Lomo Daylight Developing Tank 35mm」。CP+2025期間中に同社サイトで販売が始まりました。基本セットで10,980円となります。なお、現像が可能なのは基本モノクロフィルムで、それに関する現像液や停止液、定着液などは市販のものを使用します

一般的なフィルム現像用タンクの場合、リールへのフィルム巻き付けは暗室やダークバックを必要とします。面倒であるとともに、外から光が入ってきてフィルムを感光させてしまうこともあります。また、リールによってはフィルムの巻き付けにある程度の慣れを必要とするなど、初心者にはハードルの高いものでした。簡単にフィルムを巻き付けられるベルトタイプと呼ばれるフィルム現像用タンクもありますが、構造的に現像ムラが発生しやすく、こちらもある意味扱いづらいものでした。

本アイテムは、そのような問題を解決する現像タンク。詳しい使い方は下記の写真とキャプションを見ていただきたいのですが、明るい場所で失敗なくリールにフィルムを巻き付けられます。同じlomographyがリリースする簡易型のスキャナー「DigitaLIZA」を使用すれば、このタンクで現像したフィルムをデジタルカメラやスマートフォンを使い簡単にデジタイズすることも可能となります。基本的にモノクロフィルム用となりますが、現像も挑戦してみたいと考える写真愛好家にうってつけのアイテムといえます。

  • フィルムホルダーに未現像のフィルムを入れます。現像するフィルムは、あらかじめ付属するフィルムピッカーを使いフィルム先端をパトローネから出し、ベロ(フィルム先端の細くなった部分)を切るなど装填のための準備をしておきます

  • フィルムホルダーにフィルムを装填します。写真では、フィルムのベロは切られていませんが、実際はベロを切って装填します

  • パトローネ押さえでフィルムを固定します

  • フィルムホルダーを指標に合わせて現像タンクに挿入します

  • レバーをゆっくり回してフィルムを現像タンク内部のリールに巻きつけていきます

  • フィルムホルダーの赤いノブを回して中のフィルムを切り、パトローネから外します

  • フィルムホルダーを現像タンクから引き抜きます。ホルダーには空になったパトローネが残ります

  • この状態で現像液を入れます

  • フタを現像タンクに被せます。どことなくどんぶりのフタのようです

  • 金属製のベルトで固定します。現像液などが入っていても、この状態であればひっくり返しても液漏れすることはないとのことで、倒立式の攪拌も可能です

  • 内部のリールの様子。分解できるので水洗いも容易です

  • 付属するフィルムピッカー。パトローネのなかに入ってしまったフィルム先端を引き出すアイテムです