楽天モバイルが2月27日、「【重要】身に覚えのない回線契約にご注意ください」と題した注意喚起のお知らせを発出している。この日に報道された中高生3人による不正アクセス事件で、容疑者グループが楽天モバイルの回線契約を不正に結んだとされており、これに対応しての注意喚起と思われる。

  • 楽天モバイルの注意喚起

    楽天モバイルの注意喚起

このお知らせでは、「楽天モバイル株式会社(以下 「当社」)では、第三者が不正に入手したIDやパスワードを使用し、複数の回線を契約のうえ、モバイル通信サービスを利用していたことを確認しました」と不正利用があったことを認め、「当社では、今回の事態を厳粛に受け止め、不正対策の強化および継続的な見直し等を行い、再発防止に努めてまいります。お客様にご迷惑とご心配をお掛けしましたこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪している。

なお楽天モバイルからのIDやパスワードの流出については、「当社からIDやパスワードが流出したという事実は確認されておりません」と否定している。

同社では「不正検知のためのモニタリングを24時間365日、常に実施」「不正に契約された回線を検知した場合は、パスワードリセット、お客様へのご案内、回線の利用停止、契約解除などの対応」「疑わしい本人確認書類の警察への照会や追加回線をご契約いただいたお客様へのSMSによる事後確認もあわせて実施」とさまざまな不正利用対策を行っているとしており、今後も対策の強化・徹底を図るとしている。

あわせて、被害防止のためにユーザーに注意してほしいこととして、以下のような点を挙げている。

身に覚えのない回線契約があった場合は、以下の対応を行ってほしいという。

  1. 身に覚えのない楽天モバイル回線の利用停止
  2. 「アカウントとセキュリティ」ページ楽天ID・パスワードを変更
  3. 身に覚えのない楽天モバイル回線の利用再開(解約手続きを行うため、一度利用を再開する必要がある)
  4. 身に覚えのない楽天モバイル回線の解約

対応手順に不明な点がある場合などは、専用窓口(TEL 0800-805-0008/年中無休・9時~17時)に連絡してほしいとしている。

Editor's View

今回の不正アクセス事件は、容疑者グループが作業の一部を自動化しており、とくに「ChatGPT」で不正アクセスのためのプログラムを改善していたという点に注目が集まった。ただ、不正アクセスのために利用した認証情報はSNS経由で入手したものとされており、手口自体にはそれほどの新規性はなさそう。また、楽天モバイルの顧客情報が流出したわけではなく、他の経路で流出したIDとパスワードで楽天モバイルへの不正ログインを試みたとみられており、ID/パスワードの使いまわしの危険があらためてクローズアップされる事件といえる。