米NVIDIAは2月26日(現地時間)、2025年度第4四半期(2024年11月~2025年1月)決算を発表、ウォール街の予想を上回る結果となった。さらに、2026年度第1四半期(2025年2月〜4月)についても強気の見通しを示した。
NVIDIAの決算発表前の2月21日に、TD Cowenが公表したレポートにおいて、Microsoftがデータセンター事業者2社との契約を解除したことが指摘された。この影響もあり、ハイテク株は下落基調となり、大手テクノロジー企業によるAI向けデータセンター投資の継続性に対し、投資家の懸念が高まっていた。そのため、今回のNVIDIA決算では「AI需要の陰り」が焦点とされていたが、1月期の業績にはその兆候は見られなかった。
また、中国のAI企業DeepSeekの動向(DeepSeekショック)の影響も注目されたが、決算説明会でジェンスン・ファンCEOは「Blackwellの需要は予想を上回っている」と述べた。これを受け、時間外取引でNVIDIA株は上昇した。
1月期の売上高は393億3100万ドルで、前年同期比78%増となった。純利益はGAAPベースで220億9100万ドル(同80%増)、1株利益は0.89ドルであった。非GAAPでは純利益が220億6600万ドル(同72%増)、1株利益0.89ドル。売上高総利益率は73%だった。市場の予想平均は、売上高380億5000万ドル、1株利益0.84ドル(非GAAP)。売上高・利益とも市場予想を上回った。
事業部門別の売上高は以下の通り。
- データセンター:売上高356億ドル(前年同期比93%増)
- ゲーミング&AI PC:売上高25億ドル(前年同期比11%減)
- プロフェッショナル・ビジュアライゼーション:売上高5億1100万ドル(前年同期比10%増)
- オートモーティブ&ロボティクス:売上高5億7000万ドル(前年同期比103%増)
AI・データセンター事業が成長を牽引し、データセンターの売上高は全体の90%を超えた。1月期には、AWS、CoreWeave、Google Cloud Platform、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)などの主要クラウド事業者がGB200システムを導入。NVIDIAは「Blackwell AIスーパーコンピューターの大規模生産を順調に拡大し、最初の四半期で数十億ドル規模の売上を達成した」としている。
ゲーミング事業は売上高25億ドル(前年同期比11%減)と低調で、アナリスト予想(30億ドル)を下回った。ただし、1月に登場し始めたGeForce RTX 50シリーズの需要は高く、同シリーズ搭載のグラフィックカードは入手困難な状況が続いている。
2025年2月〜4月期のガイダンスは、売上高430億ドル(±2%)、売上高総利益率70.6〜71%(±0.50%)。市場予想(売上高417億8000万ドル)を上回る水準であり、引き続き、AI需要を中心とした成長が見込まれる。