オメガ(OMEGA)の歴史の中でもひときわ重要な腕時計、通称「ファースト オメガ イン スペース(FOiS)」が、現代的なコーアクシャル マスター クロノメーターのアップデートを施さた新作腕時計として復活した。10月4日に発表、発売となった「ファースト オメガ イン スペース Speedmaster記念モデル」(Ref.310.30.40.50.06.001)だ。

  • オメガ、スピードマスター「FOiS」を新色グレーブルーとCal.3861で復刻

    スピマス「FOiS」が現代復刻。宇宙開発競争が激しかったころ、初宇宙だとシュトゥルマンスキーとかも出てくるが、オメガの初宇宙はこの時計

オリジナルのFOiSは、スピードマスターファミリーの2代目として「CK2998」という型番で1959年に発売され、米マーキュリー計画にもとづく1962年10月の宇宙探査ミッション(シグマ7ミッション)で搭乗した宇宙飛行士が着用したことから、「宇宙初のオメガ」、つまり「FOiS」と呼ばれるようになった。ちなみに、スピードマスターが「ムーンウォッチ」と呼ばれる所以である、初の月着陸は1969年7月だ。

  • オリジナル「CK2998」の再現度は高い。キャタピラーブレスレットと焼けたような加工の夜光塗料、ドット・オーバー・ナインティもヴィンテージ感を演出

今回の新作では、オリジナルのCK2998にならい当時のディテールを再現しながらも、機械はマスタークロノメーター認定の手巻きクロノグラフ「キャリバー3861」、風防をヘサライト(プラ)に見えるドーム型のサファイアクリスタルとするなど、アップデートしている。裏蓋には、宇宙初の記念日である「October 3, 1962」の文字とシーホースが彫りこまれている。

現代まで続くスピードマスター プロフェッショナルのディテールとの違いとして目立つのは、アルファ針、直線的なラグ、左右対称のケース、キャタピラーブレスレットだろう。文字盤はCVDコーティングされたグレーブルーで、インデックスや針の夜光塗料は日焼けしたようなエイジング加工がされている。細かいところだと、アルミ製のベゼルインサートのカウント「90」のところは数字の上にドットを置くいわゆるドット・オーバー・ナインティの刻印だ。新作ながらヴィンテージ調のディテールが楽しめるこだわりが随所に見られる。

  • グレーブルーの独特の色合いとサンレイがかっこいい。アルファ針の時分針。分針と秒針は先端に曲げ、さらにステップダイヤル。12時位置のオメガロゴはアプライド。クロノグラフはいつもの時・分表示とスモールセコンド

  • 風防は一見プラに見えるが、ドーム型サファイア

  • 夜光の光り方のイメージ

  • 裏蓋には記念日である「October 3, 1962」の文字

価格はステンレスのキャタピラーブレスレットモデルで税込121万円。レザー(黒or茶)バンドモデルで税込116万6,000円。現行スピマスプロと被る価格帯なので、スピマスファンは大いに悩むことになるだろう。

  • レザーバンドモデルなら少し安くなるが、この価格差ならキャタピラーブレスが人気になりそう

ほか主要な仕様は以下の表の通り。

Ref 310.30.40.50.06.001 (ステンレスブレスレットモデル、ほかレザーストラップモデルは別Ref)
ケースサイズ 直径39.7mm、厚さ13.4mm、ラグ幅19mm、ラグtoラグ(縦)48mm
風防 ヘサライト風サファイアクリスタル (無反射コーティング)
防水 5気圧(50メートル/167フィート)防水
耐磁 15,000ガウス耐磁
キャリバー Cal.3861 (手巻きクロノグラフ、パワーリザーブ50時間、3振動、コーアクシャル脱進機、マスタークロノメーター認定)
価格 税込121万円