Microsoftのとある公式ブログがささいな混乱を招いた。

その記事では企業データを保護するEDP(Enterprise Data Protection)と、消費者データを活用するCDP(Customer Data Platform)を取り上げ、「Microsoft CopilotがEDPを更新するとCDPは適用されない」との一文がある。

これだけなら、以前から明言していた内容だ。Windows 11 Pro/EnterpriseユーザーはMicrosoft 365アプリ経由のCopilotアクセスが容易になり、Microsoft Entra ID経由で利用するとEDPの有効化とプロンプト内容が保護される。

  • タスクバーにピン留めできるMicrosoft 365アプリ

Microsoftアカウント経由でCopilot for Windowsを使用するとCDPが適用されるが、すでにショートカットキーやタスクバーのアイコンもなくなり、Windows 11 バージョン24H2では、Copilotアプリが登場する予定だ。これでMicrosoft Copilot自身が「必要な人が使う」機能へと進化することになる。

あくまでもEDPは職場・学校でWindows 11を使用する際に有用だが、今回の混乱を招いたのは年次更新プログラムのリリース日時。「10月8日にリリースするWindows 11月次セキュリティ更新プログラム(元は年次機能更新プログラム: 修正済み)で、Copilot in WindowsのUI/UXを置き換える」との文言だろう。

一見すれば10月8日がバージョン24H2のリリース日と読み取れるが、一部のユーザーから問い合わせが多かったのか、同社は記事公開2日後に24H2のリリース日とは関係ないとの文章訂正と注意書きを追加した。

  • タスクバーから取り除かれたCopilot

2024年9月が終わりを迎えつつあるものの、バージョン24H2に関する話題は聞こえてこない。

もっとも月例の品質更新プログラムで機能拡張や提供終了を行い、筆者も戸惑うものの「安定版で十分」と思わされる。バージョン24H2ではWi-Fi 7のサポートなど野心的な拡張も含まれるというが、筆者の場合はデスクトップPC用無線LANカード、各モバイルデバイスの買い換えを伴うため、さほど刺さる機能にはならない。

今すぐ欲する機能といえば、ターミナルで管理者権限を明示するsudoコマンドだろうか。これでWindowsターミナルを管理者権限で起動する必要がなくなる。

  • PowerShell上のsudoコマンド

バージョン24H2はAI利用の有無を問わずに多く機能拡張を予定しているが、Microsoft Copilotと同じくユーザーによって要不要が分かれそうだ。カーネル等々の更新情報は聞こえてこないが、今秋登場するであろう年次の機能更新プログラムは様子を見ながら、ご自身のタイミングで適用するといいだろう。