NVIDIAは8月20日、MediaTekとの新たなパートナーシップを発表した。MediaTekのモニター用スケーラーにNVIDIAのG-SYNC技術のフルセットが統合される。これにより、G-SYNCの専用モジュールが不要になり、より多くのモニター製品でG-SYNCの主要機能を利用できるようになると期待されている。
G-SYNCは、変動するゲーム映像のフレームレートにモニターのリフレッシュレートを同期させてなめらかなゲーム映像を実現する可変リフレッシュレート(VRR:Variable Refresh Rate)技術を提供している。また、高度なHDRサポート、入力から表示までの遅延の低減、ピクセルの応答速度の動的な制御、レスポンス性の測定なども備える。さらに今年1月にCES 2024で、「G-SYNC Pulsar」というモーションブラーを抑えて、移動中のコンテンツの明瞭さと視認性を向上させる新技術を発表した。これらにより、高度なゲーミングディスプレイ体験を実現するが、専用モジュールが必要であり、フル技術セットのG-SYNC Ultimateに対応するモニターは高価格帯に位置している。
モニター用のスケーラーは、異なる解像度の映像信号をモニターの解像度にスケーリングし、適切な画質で表示できるように調整する。また、カラーマネジメントやノイズリダクションなどの映像処理機能を備えている場合もある。MediaTekのスケーラーにG-SYNC技術が統合される最大のメリットは、プレミアムモニターに専用のG-SYNCモジュールを搭載する必要がなくなることである。高度なモニター向け技術を備えたゲーミングモニターの製造プロセスが合理化され、コスト削減にもつながる。
G-SYNC対応のMediaTekスケーラーは、最初に「ASUS ROG Swift 360Hz PG27AQNR」「Acer Predator XB273U F5」「AOC AGON PRO AG276QSG2」に搭載される。これらは、2560×1440の解像度、360Hzのリフレッシュレート、HDRに対応し、G-SYNC Pulsarもサポートする。
WCCF TECHによると、NVIDIAは数年をかけて、モニター用スケーラーへのG-SYNC技術統合を拡大し、それらを通じてG-SYNC技術をより幅広いモニターに浸透させようとしている。