米NVIDIAは3月7日(現地時間)、クラウドゲームサービス「GeForce NOW」に可変リフレッシュレートのサポート(Cloud G-SYNC)を導入し、サービスプランに1日パス「Day Pass」を追加した。

可変リフレッシュレート(VRR:Variable Refresh Rate)は、GPUが描画するゲーム映像のフレームレートとディスプレイのリフレッシュレートを一致させる技術である。これら2つにレートの違いがあると、映像が左右にズレるように崩れたり(テアリング)、あるいはカクつき(スタッタリング)が起きる。VRRが登場するまでは、V-SYNCを使用して、ディスプレイのリフレッシュレートにゲームやアプリケーションのフレームレートを合わせていたが、それでは高フレームレートを出せるGPUの性能を生かせない。NVIDIAの「G-SYNC」やAMDの「FreeSync」といったVRR技術は、変化し続けるゲーム映像のフレームレートにモニターのリフレッシュレートを同期させ、ティアリングやスタッタリングを防いでなめらかなゲーム映像を実現する。

そのクラウドゲーム版がCloud G-SYNCである。これまでGeForce NOWユーザーはV-SYNCを有効にするか、ティアリング/スタッタリングを受け入れるしかなかったが、Cloud G-SYNCによって、ディスプレイのリフレッシュレートをGeForce NOWのRTX 4080 SuperPODからのストリーミング・フレームレートと同期させられるようになった。これにより、ティアリングやスタッタリングを避けられ、ストリームレートを可変させることで総レイテンシも低減できる。

G-SYNCを冠しているが、Cloud G-SYNCはWindows用およびmacOS用のGeforce NOWアプリで使用できる。要件は以下の通り(現段階でIntelおよびAMDのGPUはサポートされていない)。

  • VRR対応ディスプレイ(G-SYNC、FreeSync、Apple ProMotion)
  • Windows:NVIDIA GPU(GeForce GTX 16シリーズ以降、RTX 20シリーズ以降)
  • Apple Silicon搭載Mac、Intel搭載Mac:MacBook Pro(13インチ、2020、Thunderbolt 3x4)、MacBook Pro (16インチ、2019)、MacBook Air (Retina、13インチ、2020)、iMac (Retina 5K、27インチ、2020)、Mac Pro (2019、Radeon Pro MPX Module:W5500X/W5700X/W6800X/W6900X/W6800X Duo)
  • GeForce NOW Ultimateメンバーシップ

Day Passを購入すると、GeForce NOWに1日(24時間)アクセスできる。普段GeForce NOWを使っていなくても、旅行の際など安定したインターネット接続があれば、Day Passを使って所有しているゲームにアクセスできる。Priority Day(3.99ドル)とUlitimate Day(7.99ドル)があり、UltimateではRTX 4080 Rig、4K解像度、最大120FPSを利用できる。

日本でGeForce Nowは、ソフトバンクとKDDIがそれぞれ「GeForce NOW Powered by SoftBank」「GeForce NOW Powered by au」として提供しているが、ソフトバンクのサービスが3月29日に終了し、2024年春からNVIDIAが新たな日本向けサービスを開始する予定となっている。