米NVIDIAは7月9日(現地時間)、同社公式ブログを更新し、ラスベガスの大半球「Sphere」の制御に同社製品が用いられていると明らかにした。
Sphereは、半球の両面に高精細LEDパネルを敷き詰めたラスベガスのランドマーク。重量に耐えるためにトラス構造が採用されており、球の構造でパネルを支えているために支柱が存在していない。表示領域は5.4万平方メートル、内側は1.5万平方メートルもあるほか、音響面でも没入感を高める様々な工夫が凝らされている。
今回、このSphereの画面表示にNVIDIAのソリューションが用いられていると明らかにされた。約150基のNVIDIA RTX A6000がスクリーンの背後に設置されており、床から天井まで存在する16枚の16Kスクリーンに映像を出力。相互接続に NVIDIA BlueField DPUとNVIDIA ConnectX-6 Dx NICが活用されており、NVIDIA DOCA FireflyサービスとNVIDIA Rivermaxソフトウェアでシステムが統合されているという。
これによって60フレームでの16K映像出力を3層で行い、Sphereが要求する極めて高い解像度かつ厳格なタイミング要件をクリア。ジッターを排除してレイテンシーを最適化し、メディア処理機能の新しいスタンダードを設定できたとしている。
ちなみに、150個のNVIDIA RTX A6000を全部統合するとCUDAコアは1,612,800個、GDDR6 7,200GBのGPUメモリを利用可能。全開で動作していると単純計算するとGPUだけで消費電力は45,000Wに及ぶ。